Excelで点検の次回期限を自動計算する方法|EDATEなら月末もずれず、30日前に赤くなる
点検・車検・保険・資格の更新など、「前回から◯ヶ月後」という期限は、手で計算して手で書き込むと必ずズレます。実施日を更新したのに次回期限を直し忘れる、という事故が起きるためです。
Excelなら関数2つで解決します。この記事では EDATE と TODAY を使った次回期限・残日数の自動計算、条件付き書式での色分け、月末の日付ずれへの対処までを、コピーして使える形で解説します。
この記事の内容(10項目)
- 完成イメージ|手で入れるのは1列だけ
- 手順①|EDATE で次回期限を出す
- 結果が数字(45000のような値)で表示されたら
- 前回実施日が空欄のときにエラーを出さない
- 手順②|TODAY で残日数を出す
- 「何日超過」と日本語で表示したい場合
- 手順③|条件付き書式で30日を切ったら赤くする
- 月末の日付ずれ|EDATE を使う理由
- よくある失敗と対処
- エクセルで次回点検日を自動計算する仕組みにかかわる最近の動き(2026年10月時点)
- エクセルで次回点検日を自動計算するときに出てくる用語
- エクセルで次回点検日を自動計算するときに一緒に押さえておきたいこと
- EDATE がずれるのは、計算した期限から次を出しているとき
- 「1年以内ごと」「3年に1回」は月数に直して入れる
- 開始日が文字列だと #VALUE! になる
- よくある質問
完成イメージ|手で入れるのは1列だけ
目指す形はシンプルです。手で入力するのは「前回実施日」だけで、あとは自動で出ます。
最初に一度だけ
実施のたびに更新
→ 2026/10/12
→ 71(8/2に開いた場合)
→ 「余裕」
手順①|EDATE で次回期限を出す
EDATE は「指定した日付の◯ヶ月後」を返す関数です。
=EDATE(開始日, 月数)
E2セルに次の式を入れます。
=EDATE(D2, C2)
D2が前回実施日、C2が周期(月数)です。周期を数値の列にしておくのがポイントで、「6ヶ月」のような文字列にすると計算できません。6・12・24・36 のように数字だけを入れます。
結果が数字(45000のような値)で表示されたら
セルの表示形式が「標準」になっています。セルを選択して「ホーム」→表示形式から「短い日付形式」を選んでください。Excel は日付を連続したシリアル値として扱うため(Microsoft の EDATE 関数の説明)、日付書式にしないと数値のまま表示されます。
前回実施日が空欄のときにエラーを出さない
まだ一度も実施していない行があると、EDATE が意図しない日付を返します。IF で空欄を判定しておきます。
=IF(D2="", "", EDATE(D2, C2))
手順②|TODAY で残日数を出す
残日数は引き算だけです。F2に次の式を入れます。
=IF(E2="", "", E2-TODAY())
TODAY() は再計算のたびに今日の日付になるので、ファイルを開けば残日数は最新になります。手で更新する必要はありません。更新されないときは「ファイル」→「オプション」→「数式」の計算方法の設定が「自動」になっているかを見ます(Microsoft の TODAY 関数の説明)。
マイナスの値は期限超過を意味します。「-15」なら15日超過している状態です。
「何日超過」と日本語で表示したい場合
G列に状態を出す式を入れると、一目で分かる表になります。
=IF(F2="", "", IF(F2<0, "期限超過", IF(F2<=30, "要手配", IF(F2<=60, "接近", "余裕"))))
これで「期限超過/要手配/接近/余裕」の4段階が自動で判定されます。数字を読む必要がなくなるので、点検に詳しくない人が見ても手配の要否が分かります。
手順③|条件付き書式で30日を切ったら赤くする
最後に、目で拾えるようにします。
- 残日数の列(F列)を選択する
- 「ホーム」→「条件付き書式」→「セルの強調表示ルール」→「指定の値より小さい」
- 値に 30 を入れ、書式で「濃い赤の文字、明るい赤の背景」を選ぶ
これで、開いた瞬間に赤い行だけを見ればよい状態になります。期限管理表を続けられるかどうかは、この一手間があるかで決まります。全行を毎回読む運用は続きません。
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次回期限・残日数・状態の自動計算と、30日を切ったら赤くなる条件付き書式まで設定済みのテンプレートです。点検・車検・保険・資格の更新など、期限のあるものは何でも管理できます。
点検 期限管理表を見る月末の日付ずれ|EDATE を使う理由
「1月31日の1ヶ月後」は何日でしょうか。2月31日は存在しません。
EDATE はこれを自動で 2月28日(うるう年なら29日)に丸めます。Microsoft の関数の説明には月末の例が載っていないので、気になる場合は空いたセルに =EDATE("2026/1/31",1) と入れ、2026/2/28 になることを確かめてください。DATE関数で =DATE(YEAR(D2), MONTH(D2)+1, DAY(D2)) のように自作すると、2月31日=3月3日という誤った日付になります。月末に実施した点検で1ヶ月ずれるのは実務上まずいので、必ず EDATE を使ってください。
| 前回実施日 | 周期 | EDATE の結果 | DATE で自作した場合 |
|---|---|---|---|
| 2026/1/31 | 1ヶ月 | 2026/2/28(正しい) | 2026/3/3(ずれる) |
| 2026/8/31 | 6ヶ月 | 2027/2/28(正しい) | 2027/3/3(ずれる) |
| 2026/5/31 | 1ヶ月 | 2026/6/30(正しい) | 2026/7/1(ずれる) |
よくある失敗と対処
- 周期の列に「6ヶ月」と書いてしまう|文字列は計算できません。数値の 6 だけを入れ、列見出しを「周期(月)」にします。
- 次回期限を手で上書きしてしまう|式が消え、以降その行だけ自動更新されなくなります。前倒し実施などで調整したい場合は、前回実施日のほうを実際の日付に直してください。
- 行を追加したら式が入っていない|表を「テーブル」(挿入→テーブル)にしておくと、行を足したときに式が自動でコピーされます。
- 他の人が数式を壊す|「校閲」→「シートの保護」で、入力する列以外をロックできます。
- 残日数が更新されない|手動計算モードになっている可能性があります。「数式」→「計算方法の設定」を自動に戻してください。
期限管理そのものの設計(点検と報告の周期のズレ、担当交代時の引き継ぎ)については、法定点検の期限管理の記事で解説しています。車両の期限をまとめたい場合は車検・保険 期限管理表が、この記事の仕組みをそのまま実装した例です。
エクセルで次回点検日を自動計算する仕組みにかかわる最近の動き(2026年10月時点)
エクセルで次回点検日を自動計算する式そのもの(EDATE・TODAY・条件付き書式)は、ここ数年で変わっていません。変わったのは、表を開くExcelのサポート期限と、表に入れる点検の決まりの一部です。
| 時期 | 出来事 | 根拠 |
|---|---|---|
| 2025年10月14日 | Excel 2016・Excel 2019(Office 2016・2019)のサポートが終了。セキュリティ更新が出なくなった | Microsoft Lifecycle「2025年のサポート終了」 |
| 2026年1月1日 | 改正労働安全衛生法で、特定自主検査を基準に従って行う義務が施行。年次の検査の周期(1年以内ごと)は変わらないので、表の周期は12のまま | 労働安全衛生法45条3項(令和7年法律第33号) |
| 2026年10月13日 | Excel 2021(Office 2021・Office LTSC 2021)のサポートが終了する予定 | Microsoft Lifecycle「2026年のサポート終了」 |
ポイントは、期限管理表を置いているパソコンのExcelが古いままになっていないかです。式は新しいExcelでもそのまま動くので、サポートの切れた版で開き続ける理由はありません。
出典:2025年のサポート終了(Microsoft)/2026年のサポート終了(Microsoft)/改正労働安全衛生法の概要(厚生労働省)
確認日は2026年10月3日です。社内のパソコンのExcelの版は、情報システムの担当に確かめてください。点検の周期そのものは、所轄の労働基準監督署・消防署など、その点検を定めている窓口で確かめます。
エクセルで次回点検日を自動計算するときに出てくる用語
エクセルで次回点検日を自動計算する表で使う関数と機能を、Microsoft の説明に沿って並べます。
| 用語 | 意味 | 出典 |
|---|---|---|
| EDATE 関数 | =EDATE(開始日, 月)。開始日から指定した月数だけ後(負なら前)の日付のシリアル値を返す。月に小数を入れると切り捨て | Microsoft サポート「EDATE 関数」 |
| TODAY 関数 | 今日の日付を返す。計算方法の設定が「自動」なら、開くたびに新しい日付になる | Microsoft サポート「TODAY 関数」 |
| WORKDAY 関数 | =WORKDAY(開始日, 日数, [祭日])。土日と指定した祝日を除いて、稼働日で数えた日付を返す。日数が負なら前へ数える | Microsoft サポート「WORKDAY 関数」 |
| シリアル値 | Excel が日付を数えるときの通し番号。表示形式を日付にすると日付で見える | Microsoft サポート「EDATE 関数」 |
| 条件付き書式 | 値に応じてセルの色や文字を変える機能。「セルの強調表示ルール」から設定する | Excel の「ホーム」タブ |
| テーブル | 「挿入」→「テーブル」で作る表。列に入れた式が、行を足したときに自動で入る | Excel の「挿入」タブ |
エクセルで次回点検日を自動計算するときに一緒に押さえておきたいこと
エクセルで次回点検日を自動計算する表は、式を入れたあとの使い方で差が出ます。検索でよく一緒に調べられている「EDATE がずれる」「使えない」も含めて、3つ挙げます。
EDATE がずれるのは、計算した期限から次を出しているとき
1月31日を起点に、出てきた2月28日からさらに1ヶ月後を出すと3月28日になり、月末から少しずつ離れていきます。ポイントは、次回期限は必ず「実際に実施した日」から出すことです。前回実施日の列を実施のたびに書き換える形なら、このずれは起きません。
「1年以内ごと」「3年に1回」は月数に直して入れる
EDATE は月単位なので、1年は12、3年は36と入れます。日単位の周期なら =D2+90 のように足し算にします。法令の周期は「1年以内ごとに1回」(労働安全衛生規則167条の車両系建設機械の年次検査など)のように書かれていることが多いので、表の周期の列には根拠の条文も1列添えておくと、担当が替わっても周期を確かめ直せます。
開始日が文字列だと #VALUE! になる
Microsoft の説明では、開始日に有効な日付が入っていないと EDATE は #VALUE! を返します。他のシステムから貼り付けた日付は、見た目が日付でも文字列のことがあります。セルを選んで表示形式を変えても右寄せにならないときは、日付として入れ直してください。
よくある質問
- Q. EDATE が使えないバージョンはありますか?
- Microsoft の関数の説明では、Microsoft 365・Excel 2024・2021・2019・2016 が対象として載っています。「#NAME?」が出るときは関数名のつづりを、「#VALUE!」が出るときは開始日が日付として入っているか(文字列になっていないか)を確かめてください。Googleスプレッドシート・LibreOffice Calcにも同じ名前の関数があります。
- Q. 「◯日ごと」の周期はどう計算しますか?
- 日数の周期なら単純な足し算です。=D2+90 のように書きます。EDATE は月単位の周期用です。
- Q. 祝日や休業日を避けて期限を出せますか?
- WORKDAY関数(=WORKDAY(開始日, 日数, [祭日]))で、土日と指定した祝日を除いた日付を出せます。日数に負の数を入れると前にさかのぼるので、=WORKDAY(E2+1,-1,祝日一覧) で「期限当日か、それより前の直近の営業日」になります。期限そのものは EDATE で出し、作業予定日は別の列で出すと、期限を見失いません。
- Q. 期限が近づいたらメールで通知できますか?
- Excel単体では通知できません。Power AutomateやGoogle Apps Scriptで自動化する方法もありますが、設定の手間を考えると、通知が必要な段階ではクラウド型のツールに移すほうが現実的です。
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