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アルコールチェック記録簿の書き方と記入例|8項目・1年保存・直行直帰の運用まで

公開 2026-08-14更新 2026-10-03 執筆 点検板 編集部
点検板 編集部法令の原文と省庁の資料で確認:2026年10月3日

2022年4月から、安全運転管理者を置く白ナンバー(自家用)の事業所でも運転前後の酒気帯び確認と記録が義務になり、2023年12月からはアルコール検知器を使った確認も義務になりました。制度対応として記録簿を用意したものの、「この書き方で監査に耐えるのか」「直行直帰の日はどう書くのか」と不安なまま運用している会社が少なくありません。

この記事では、アルコールチェック記録簿に書く8項目とそれぞれの書き方、そのまま真似できる記入例、保存期間、非対面確認のやり方、よくあるNG記録のパターンを整理します。8項目を満たした無料のExcel記録簿(メールでお送りします)も配布しています。

アルコールチェック記録表(Excel・無料)道路交通法施行規則で定められた8項目を満たし、1年間保存できる形にした記録簿。
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この記事の内容(9項目)

誰に義務があるか|安全運転管理者の選任事業所

アルコールチェック義務の主体は安全運転管理者です。次のいずれかに該当する事業所は安全運転管理者の選任が必要です(道路交通法74条の3第1項、道路交通法施行規則9条の8)。選任された安全運転管理者の業務として、酒気帯び確認と記録の保存が定められています(同規則9条の10第6号・第7号)。

  • 乗車定員11人以上の自動車を1台以上使用
  • その他の自動車を5台以上使用(大型・普通自動二輪車は1台を0.5台で計算)
5台以上安全運転管理者の
選任基準(乗用車)
8項目記録する事項
(警察庁の通達)
1年記録の保存義務
2023年12月アルコール検知器の
使用が完全義務化

「営業車4台だから対象外」と思っていても、役員車や貸出用車両を含めると5台に達しているケースがあります。台数は「自動車の使用の本拠」(事業所など)ごとに数えます。20台以上なら副安全運転管理者も必要です(同規則9条の11)。確認義務の内容は次の2点です。

  • 運転者の運転前後に、目視等とアルコール検知器で酒気帯びの有無を確認する
  • 確認の内容を記録し、1年間保存する。検知器を常時有効に保持する

アルコールチェック記録簿の8項目と書き方

施行規則9条の10第7号は「確認の内容を記録」すると定めているだけで、何を書くかは警察庁の通達(令和6年12月27日付け 丁交企発第352号ほか)とQ&Aで8つ示されています。それぞれの書き方のポイントを添えて整理します。

項目書き方のポイント
①確認者名原則は安全運転管理者。副安全運転管理者や補助者でも可(補助者は社内で指名しておく)
②運転者名運転する本人。同乗者は不要
③自動車のナンバー等登録番号、または車両を識別できる記号・番号(社番でも可)
④確認の日時運転前・運転後それぞれの日時。「業務開始前・終了後」のまとめ確認でも可とされる
⑤確認の方法「対面・検知器使用」が基本形。非対面の場合は具体的方法(電話+検知器等)を書く
⑥酒気帯びの有無「無/有」。検知器の測定値もあわせて記録すると説明力が上がる
⑦指示事項異常時の指示(運転禁止・帰宅指示等)。通常時は空欄で可
⑧その他必要な事項非対面時の補足(写真送付を確認等)、検知器の不調時の代替方法など

様式は自由で、法令で決まった様式はありません。8項目が揃っていること・毎回書けること・1年保存できることの3条件を満たせば、Excelでも紙でも構いません。

アルコールチェック記録簿の記入例(1日分)

8項目を1行にまとめると、記入例は次のようになります。運転前と運転後で1行ずつ書くのが一般的な形です。

①確認者②運転者③車両④日時⑤方法⑥有無⑦指示事項⑧その他
安全 一郎山田 太郎品川500あ12-3410/3 8:05(運転前)対面・検知器使用無(0.00mg/L)
安全 一郎山田 太郎品川500あ12-3410/3 17:40(運転後)対面・検知器使用無(0.00mg/L)
補助 花子佐藤 次郎社番3号10/3 6:50(運転前)電話・検知器使用無(0.00mg/L)直行。測定画面の写真をチャットで確認
安全 一郎鈴木 三郎社番5号10/3 8:10(運転前)対面・検知器使用有(0.10mg/L)運転禁止。社番5号は田中が運転再測定 8:40 も有。上長へ報告

ポイントは⑥と⑦です。数値を出す検知器なら測定値を添えておくと、後から確認の中身を説明しやすくなります。「有」の行には、必ず⑦に何を指示したかを書きます。

アルコールチェック記録簿(Excel・無料)

通達の8項目に番号を振ってそのまま採録し、運転前後の確認方法・検知器測定値をドロップダウンで記録できる様式です。1ヶ月1シートで1年保存にも対応。メールでダウンロードリンクをお送りします。

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直行直帰・早朝深夜|非対面確認の正しいやり方

運用で最も質問が多いのが、対面確認ができないケースです。確認は対面が原則ですが、直行直帰など対面での確認が難しい場合は「対面に準ずる方法」でよいとされています(警察庁の通達・Q&A)。運転者に携帯型のアルコール検知器を持たせたうえで、次の2つを組み合わせます。

  • カメラ・モニター・電話などで、運転者の顔色・応答の声の調子を確認すること
  • 運転者に携帯型アルコール検知器を使用させ、測定結果を報告させること

実務の定番は「電話で声を確認+検知器の測定結果を口頭報告+測定画面の写真をチャットで送付」です。記録簿の⑤確認方法に「電話・検知器使用」、⑧その他に「測定値の写真送付を確認」と書けば、確認の実態が後から追えます。

直行直帰時の非対面確認の流れ
① 電話確認者が運転者へ電話。声の調子・応答を確認
→
② 測定運転者が携帯型検知器で自己測定
→
③ 報告測定値を口頭報告+画面写真をチャット送付
→
④ 記録⑤欄「電話・検知器使用」/⑧欄「写真送付を確認」と記入
「本人の自己申告のみ」「メッセージだけ」は要件を満たさない

早朝出発で安全運転管理者が不在の場合は、副安全運転管理者や補助者に確認させてよいとされています。条件は、安全運転管理者があらかじめ補助者を指定し、確認の方法と、酒気帯びが分かったときの報告の流れを教えておくことです(通達)。補助者が確認して記録し、後で安全運転管理者が記録を見る運用が一般的です。「本人の自己申告のみ」「LINEに『飲んでません』とだけ送る」は確認方法の要件を満たさないので注意してください。

よくあるNG記録|監査・警察の確認で指摘されるパターン

記録簿が形だけになっている会社で共通して見られるNGパターンを挙げます。自社の記録簿と見比べてください。

  • 運転後の確認が抜けている|義務は「運転前後」。前だけの記録簿が非常に多い
  • 確認日時が「8:00」で全員同時刻|まとめて後から書いた痕跡。実際の確認時刻を書く
  • 検知器の記載がどこにもない|2023年12月以降は検知器使用が義務。確認方法欄に明記する
  • 「有」になった日の指示事項が空欄|酒気帯びが出たのに何も指示していない記録は最悪の証拠になる。運転禁止の指示と代替手段まで書く
  • 記録が月の途中から無い|継続性は最重要。忙しい日ほど記録が残る動線(出庫時に記録場所を通る等)を作る

警察庁の通達では、業務中の飲酒運転を検挙したときに、安全運転管理者の選任の有無や業務の実施状況を確認し、報告を求めることとされています。公安委員会は、使用者に是正のための措置を命じることもできます(道路交通法74条の3第8項)。また、公安委員会から講習の通知を受けたときは、安全運転管理者に受講させなければなりません(同条第9項)。事故が起きたときに記録を出せるかどうかが、日々の確認をしていた証拠になります。

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検知器の管理と、車両管理全体への組み込み

意外に漏れるのが検知器そのものの管理です。義務は「常時有効に保持」で、通達では「正常に作動し、故障がない状態で保持しておくこと」とされ、取扱説明書に沿って使い・管理し・保守し、定期的に故障の有無を確かめることが求められています。実務では次の形にすると回ります。

  • 電源が入り正常に作動するか、損傷がないかを使う日に確認する
  • メーカーが定める校正・センサー交換の時期(使用回数または期間)を守る
  • 故障時の予備機または代替手段を決めておく
  • 運転者が個人で買った検知器を使うなら、会社の検知器と同じように定期的に故障の有無を確かめたものに限る(警察庁Q&A)

検知器の交換時期は「◯回使用または◯年」の形が多く、忘れやすい典型的な期限です。車検・保険・12ヶ月点検と一緒に車両の期限管理表に載せてしまうのが確実です。

アルコールチェックは車両管理の一部です。運転者の日常点検(社用車日常点検表)とセットで「出庫前のルーティン」に組み込むと、どちらの記録も安定します。制度全体の整理は車両点検の義務の記事をご覧ください。

アルコールチェック記録簿にかかわる最近の動き(2026年10月時点)

アルコールチェック記録簿の決まりは、2022年から段階的に始まり、2024年末に通達が出し直されています。確かめられた出来事を日付順に並べます。

日付出来事記録簿への影響根拠
2022年4月1日目視等による酒気帯び確認と、記録の1年保存が始まる8項目の記録簿が必要になった道路交通法施行規則9条の10(令和3年改正)
2022年10月1日安全運転管理者の選任義務違反の罰則が、5万円以下から50万円以下の罰金に引き上げ選任していない事業所のリスクが大きくなった令和4年の道路交通法改正
2023年8月15日検知器を使った確認の実施方法の留意事項を示した通達(丁交企発第201号ほか)2024年12月の通達の発出で廃止され、内容は新しい通達に移った警察庁の通達
2023年12月1日アルコール検知器を使った確認と、検知器の常時有効保持が始まる⑤確認の方法に検知器の使用を書く同規則9条の10第6号・第7号(令和5年改正)
2024年12月27日点呼と酒気帯び確認の留意事項をまとめ直した通達(丁交企発第352号ほか)点呼の遠隔実施・外部委託の留意事項を追加。補助者に「確認の業務を委託した事業者」を含めて記載。記録の8項目もこの通達に載っている警察庁の通達

アルコールチェック記録簿に書く8項目は、いま有効な2024年12月27日の通達に載っています。この通達は、規制改革推進会議の答申(2024年5月31日)を受けて、点呼の遠隔実施や外部委託ができるよう留意事項を示したものです。古い解説記事を見るときは、どの通達を元にしているかを確かめてください。

出典:警察庁 安全運転管理者の業務の拡充等/警察庁 安全運転管理者による運転者に対する点呼等の実施及び酒気帯び確認等について(通達)/警察庁 アルコール検知器を用いた酒気帯び確認等に係るQ&A/e-Gov法令検索 道路交通法施行規則

確認日は2026年10月3日です。自社の事業所が対象になるかどうかや届出の方法は、自動車の使用の本拠を管轄する警察署に確認してください。

アルコールチェック記録簿に出てくる用語

アルコールチェック記録簿や通達に出てくる言葉を、出どころと一緒に並べます。

用語意味出典
安全運転管理者一定台数以上の自動車を使う事業所ごとに選ぶ、安全な運転の管理をする人。20歳以上(副安全運転管理者を置く場合は30歳以上)で、運転の管理の実務経験2年以上などの要件がある道路交通法74条の3、同規則9条の9
副安全運転管理者20台以上を使う事業所で、安全運転管理者を補助するために選ぶ人道路交通法74条の3第4項、同規則9条の11
自動車の使用の本拠台数を数え、安全運転管理者を選ぶ単位。事業所など道路交通法74条の3第1項
酒気帯び確認運転しようとする運転者と運転を終えた運転者の酒気帯びの有無を、目視等とアルコール検知器で確かめること同規則9条の10第6号、警察庁の通達
目視等で確認運転者の顔色、呼気の臭い、応答の声の調子などで確認すること警察庁の通達
アルコール検知器呼気中のアルコールを検知し、有無や濃度を警告音・警告灯・数値などで示す機器令和3年国家公安委員会告示第63号
常時有効に保持検知器が正常に作動し、故障がない状態にしておくこと同規則9条の10第7号、警察庁の通達
補助者安全運転管理者が不在のときなどに確認を行う人。あらかじめ指定し、方法を教えておく警察庁の通達
白ナンバー・緑ナンバー自家用の自動車と、運送事業用の自動車の通称法令上の定義はない
アルコールチェック酒気帯び確認の通称法令上の定義はない

アルコールチェック記録簿と一緒に押さえておきたいこと

アルコールチェック記録簿を整えるときに、あわせて見ておくと迷わない点を4つ取り上げます。

緑ナンバーの事業所は、この制度の対象外

アルコールチェック記録簿を探すと国土交通省の資料が出てきますが、あれは主に運送事業者(緑ナンバー)の点呼の話です。運行管理者などを置く自動車運送事業者の事業所は、安全運転管理者の制度の対象外とされています(警察庁「安全運転管理者制度の概要」)。白ナンバーの事業所は、この記事の8項目で記録します。なお、国土交通省の認定を受けた機器を使う自動点呼を白ナンバーの事業所で使うことは差し支えないとされています(警察庁Q&A)。

運転日誌の備え付けも安全運転管理者の業務

安全運転管理者の業務には、運転者名、運転の開始と終了の日時、運転した距離などを記録する日誌を備え付け、運転を終えた運転者に記録させることも含まれています(道路交通法施行規則9条の10第8号)。アルコールチェック記録簿と運転日誌を同じ1枚にまとめている会社もあります。

選任したら15日以内に届け出る

安全運転管理者や副安全運転管理者を選んだときは、選任した日から15日以内に、使用の本拠を管轄する公安委員会に届け出ることとされています(道路交通法74条の3第5項)。担当者が替わったときも同じです。記録簿の①確認者名と届け出た人が食い違っていないかも、あわせて見ておくとよいでしょう。

点検整備記録簿とは保存期間が違う

同じ社用車の書類でも、点検整備記録簿の保存期間は車の区分で1年または2年と定められています(自動車点検基準4条2項)。アルコールチェック記録簿は1年です。書類ごとに保存年限を表紙に書いておくと、捨てる時期で迷いません。

点検板 編集部がまとめました様式を無料で配り、使い方と法令の決まりを記事にまとめています。法令の数字は e-Gov の原文で確かめてから載せています。

よくある質問

Q. アルコールチェックの記録は何年保存ですか?
1年間の保存が義務です(道路交通法施行規則9条の10第7号)。点検整備記録簿は車の区分で1年または2年(自動車点検基準4条2項)と保存期間が異なるため、様式ごとに保存年限を明記しておくと管理しやすくなります。
Q. マイカー通勤や私用運転も確認の対象ですか?
確認の対象は、安全運転管理者が管理する業務での運転です。通勤だけの運転は業務の運転とは別に扱う会社が多く、社内規程で確認の対象に含めている会社もあります。私有車を営業回りなどの業務に使わせている場合の扱いや台数への数え方は、使用の本拠を管轄する警察署に確認してください。
Q. 検知器はどんなものを使えばよいですか?
国家公安委員会が定める要件(呼気中のアルコールの有無や濃度を警告音・警告灯・数値などで示すもの)を満たせば、市販の携帯型で構いません。数値表示型は記録に測定値を残せるため、説明力の面でおすすめです。
Q. 酒気帯びが確認されたらどうすればよいですか?
その運転者を運転させてはいけません。運転禁止を指示し、代替運転者の手配や業務変更を行い、指示内容を記録簿の⑦指示事項に残します。就業規則上の扱い(懲戒・再発防止)も整備しておくと対応が一貫します。
アルコールチェック記録表(Excel・無料)道路交通法施行規則で定められた8項目を満たし、1年間保存できる形にした記録簿。
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本記事は一般的な情報の整理であり、法令への適合を保証するものではありません。個別の義務内容は所管行政庁または専門家にご確認ください。記事の内容は2026-10-03時点の情報です。