安全衛生

安全衛生教育の記録|雇入れ時・特別教育・職長教育で残すもの

公開 2026-04-18更新 2026-08-02 執筆 点検板 編集部

安全衛生教育は「実施すること」だけでなく「記録に残すこと」まで含めて義務です。特に特別教育の記録は3年保存が明記されており、監督署の臨検で確認される定番項目です。

さらに2024年4月から、雇入れ時教育の項目省略の規定が廃止されました。これまで一部業種で省略できた項目が、全業種で必要になっています。この記事で教育の種類と記録の残し方を整理します。

安全衛生教育記録表(Excel・無料)雇入れ時教育・特別教育の実施内容と受講者を記録し、3年間保存するための様式。
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この記事の内容(6項目)

4種類の教育|いつ誰に

教育いつ対象記録
雇入れ時教育雇い入れたときすべての労働者
(パート・アルバイト含む)
保存義務の明記なし
(3年推奨)
作業内容変更時教育作業内容を変えたとき該当する労働者同上
特別教育危険・有害業務に就かせるとき該当業務の従事者3年保存(義務)
職長等教育職長等に就いたとき新たに職務に就く職長等保存義務の明記なし
(3年推奨)
3年特別教育の
記録保存(義務)
2024年4月雇入れ時教育の
省略規定が廃止
全業種雇入れ時教育の
対象
約50業務特別教育が
必要な業務

雇入れ時教育はパート・アルバイトも対象です。「短期だから」「学生だから」は理由になりません。むしろ経験の浅い人ほど災害に遭いやすいため、法の趣旨からも省略できません。

2024年4月の改正|省略規定の廃止

従来、雇入れ時教育の8項目のうち一部は、特定の業種以外では省略できるとされていました。この規定が2024年4月1日に廃止され、業種を問わず全項目の実施が必要になっています。

2024年3月まで

非工業的業種では、機械・原材料の危険性、安全装置の取扱いなど一部項目を省略できた。

2024年4月から

業種にかかわらず全項目が必要。事務職中心の会社でも、該当する内容を教育する。

これにより、小売業・サービス業・事務所などで教育内容の見直しが必要になりました。古い教育カリキュラムのまま運用している場合は、項目の抜けがないか確認してください。

雇入れ時教育の項目

  • 機械等・原材料等の危険性・有害性、これらの取扱い方法
  • 安全装置・有害物抑制装置・保護具の性能と取扱い方法
  • 作業手順
  • 作業開始時の点検
  • その業務で発生するおそれのある疾病の原因と予防
  • 整理・整頓・清潔の保持
  • 事故時等における応急措置・退避
  • その他、業務に関する安全衛生のために必要な事項

記録に残す8項目

教育記録に決まった様式はありませんが、次の項目が揃っていれば実施の証明になります。

  1. 実施日|いつ
  2. 教育の種類|雇入れ時/特別教育/職長等教育など
  3. 対象業務|特別教育なら業務名を正確に(例:アーク溶接等の業務)
  4. 教育内容(科目)|何を教えたか。省略項目がないか確認できる
  5. 時間数|特別教育は科目ごとに最低時間が定められている
  6. 講師名・所属|社内なら氏名、外部なら機関名
  7. 受講者名簿|誰が受けたか
  8. 理解度の確認方法|確認テスト、修了考査など

特に時間数が重要です。特別教育は業務ごとに科目と最低時間が省令で決まっており、時間が足りないと教育を実施したことになりません。

安全衛生教育 記録表(Excel・無料)

教育の種類・対象業務・科目・時間数・講師・受講者・理解度確認・記録の保存期限を1行で管理できます。保存期限が自動で見えるので、廃棄の判断も迷いません。

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安全衛生教育記録表(Excel・無料)雇入れ時教育・特別教育の実施内容と受講者を記録し、3年間保存するための様式。
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外部機関に委託した場合

特別教育を教習機関・労働基準協会などに委託した場合、受講者には修了証が交付されます。この場合の記録の扱いは次のとおりです。

  • 修了証の写しを事業者が保管する|原本は本人が携帯します。事業者は写しを台帳に綴じます
  • 受講日・機関名・科目を自社の記録表にも転記する|修了証だけだと一覧性がなく、誰が何を受けたか把握できません
  • 資格の有効期限があるものは期限も記録|特別教育に更新義務はありませんが、技能講習修了証や免許は再交付・確認が必要になる場面があります

実務では、「誰が・どの業務の資格を持っているか」の一覧があると配置の判断が速くなります。無資格作業は重大な違反なので、作業を割り当てる前に確認できる状態にしておいてください。

点検業務でいえば、フォークリフト・高所作業車・建機の運転、玉掛け、クレーン操作などが資格を要する業務です(特定自主検査の記事で機械ごとの資格要件に触れています)。

教育の管理も期限管理の一部

安全衛生教育は「一度やって終わり」ではありません。次の場面で再度必要になります。

  • 新しい機械・原材料を導入したとき|作業内容変更時教育に該当する場合があります
  • 作業方法を大きく変えたとき|同上
  • 職長が交代したとき|新たに職長になる人への職長等教育
  • 危険有害業務従事者への教育|おおむね5年ごとの実施が通達で推奨されています

これらは点検の期限と同じく、忘れた頃にやってくるものです。教育の実施予定を点検の期限管理表に一緒に載せておくと、月1回の確認で拾えます(期限管理の記事)。

よくある質問

Q. 雇入れ時教育に決まった時間数はありますか?
雇入れ時教育には法定の最低時間がありません(特別教育は業務ごとに定めあり)。内容を網羅していることが要件です。ただし実施したことが分かるよう、時間数も記録しておくことをおすすめします。
Q. 特別教育を社内で実施できますか?
できます。科目ごとに定められた内容と時間を満たし、その科目について十分な知識・経験を有する者が講師を務める必要があります。実技を伴う業務では設備の準備も必要なため、外部機関への委託が一般的です。
Q. 派遣労働者への教育は誰が行いますか?
雇入れ時教育は派遣元、作業内容変更時教育・特別教育・職長教育は原則として派遣先が実施します(業務内容に応じた教育のため)。契約時に分担を確認してください。
Q. 記録を紛失した場合は?
再作成できる範囲で復元し、受講者本人の修了証や外部機関の受講履歴から確認します。特別教育の記録は3年保存が義務なので、紛失したままにせず経緯を残してください。
安全衛生教育記録表(Excel・無料)雇入れ時教育・特別教育の実施内容と受講者を記録し、3年間保存するための様式。
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本記事は一般的な情報の整理であり、法令への適合を保証するものではありません。個別の義務内容は所管行政庁または専門家にご確認ください。記事の内容は2026-08-02時点の情報です。