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建機の点検期限をExcelの管理表で管理する|機種ごとの周期と次回期限の自動計算

公開 2026-08-21更新 2026-10-03 執筆 点検板 編集部
点検板 編集部法令の原文と省庁の資料で確認:2026年10月3日

建機の点検が回らなくなる原因は、点検そのものではなく期限が見えていないことです。台数が10台を超えると、機械ごとにファイルを開いて前回実施日を確認する運用は続きません。

しかも建機は、機種によって周期の条文が違います。不整地運搬車だけ年次が2年で、他は1年。一律に設定した表では正しく管理できません。この記事では、機種差を前提にしたExcelの期限管理表の作り方を、列の並び、周期を引く表、次回期限の計算式の順に整理します。

重機管理台帳(保有機械一覧・検査期限つき)(Excel・無料)保有・リース・レンタルの重機を1枚に並べ、特定自主検査の次回期限を自動計算する台帳。残日数が30日を切ると赤くなります。
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この記事の内容(9項目)

まず機種ごとの周期を確認する

管理表を作る前に、自社の保有機械がどの条文に当たるかを確認します。ここを間違えると、表が正しく計算しても期限がずれます。

機械年次月例条文
車両系建設機械一年以内ごとに一回一月以内ごとに一回安衛則167条/168条
高所作業車一年以内ごとに一回一月以内ごとに一回安衛則194条の23/194条の24
フォークリフト一年を超えない期間ごと一月を超えない期間ごと安衛則151条の21/151条の22
不整地運搬車二年を超えない期間ごと一月を超えない期間ごと安衛則151条の53/151条の54
移動式クレーン一年以内ごと(荷重試験)一月以内ごとクレーン則76条/77条
ショベルローダー等一年を超えない期間ごと一月を超えない期間ごと安衛則151条の31/151条の32

「月例点検」という語は法令にありません

文言が機械ごとに書き分けられています。実務上の運用はどちらも月次ですが、社内規程や記録に条文を引くときは自社の機械の条文どおりに書いてください。

管理表には機種区分の列を持たせる

周期を1台ずつ手で入れると、必ず入力ミスが出ます。機種区分を選ぶと周期が決まる形にしてください。不整地運搬車を「1年」で登録してしまう事故が防げます。

管理表に持たせる列

配布しているExcel様式は、全テンプレートで次のヘッダーに統一してあります。この並びなら、機械ごとの点検表からそのまま管理表へ転記できます。

列用途入れ方
対象名一覧での表示名「バックホー 0.25㎥」など
管理番号一意キー。点検表・届出・記録を串刺しにする銘板の機番を使うのが簡単
機種区分周期の判定に使う車両系建設機械/フォークリフト/不整地運搬車 …
保有拠点・営業所第1階層。誰が管理しているか建機は現場を移動するので、拠点と現場は別に持つ
周期次回期限の計算のもと機種区分から自動で入る形が理想
前回実施日次回期限の起算年次と月例で列を分ける
担当期限が来たときの宛先個人名。部署名だと誰も動かない

あると効く列を4つ

列効くこと
保有区分(自社/レンタル)借用機が混ざっても管理でき、返却後も記録の行が残る
現在の現場期限が来たときに機械を探さずに済む
次回期限(自動計算)前回実施日+周期。手入力にしない
残日数並べ替えの軸。30日以内に色が付くようにする
期限は人ではなく管理表に持たせる
前回実施日を入れる
→
周期は機種区分から決まる
→
次回期限を自動計算
→
残日数で並べ替え・色付け
担当者が替わっても回るかどうかは、期限が人の頭にあるか管理表にあるかで決まる

Excelの管理表で次回期限を自動計算する

建機の点検期限の管理表は、Excelの関数3つで回せます。ポイントは、周期を1台ずつ入れず、機種区分の表から引いてくることです。

1. 機種区分と周期の表を別シートに作る

「周期」という名前のシートに、機種区分と、年次・月例の月数を並べます。条文の周期をそのまま月数にしたものです。

機種区分年次(月)月例(月)特定自主検査
車両系建設機械121年次が該当(安衛則169条の2)
高所作業車121年次が該当(安衛則194条の26。作業床の高さ2m以上)
フォークリフト121年次が該当(安衛則151条の24)
不整地運搬車241年次が該当(安衛則151条の56)
移動式クレーン121該当しない(別に性能検査がある)
ショベルローダー等121該当しない

2. 周期は機種区分から引く

管理表の周期の列には、手で数字を入れず、=XLOOKUP(C2,周期!A:A,周期!B:B)(古いExcelなら =VLOOKUP(C2,周期!A:C,2,FALSE))のように機種区分から引く式を入れます。機種区分の列は入力規則のリストにしておくと、表記ゆれで引けなくなる事故も防げます。

3. 次回期限と残日数を出す

次回期限は =IF(F2="","",EDATE(F2,E2))(F列が前回実施日、E列が周期の月数)、残日数は =IF(G2="","",G2-TODAY()) です。条件付き書式で残日数が30以下のセルに色を付けると、開いた瞬間に今月の手配先が分かります。EDATEの月末の扱いや色の付け方の手順はExcelで点検の次回期限を自動計算する方法にまとめています。

4. 期限の日は安全側に決めておく

条文は「一年以内ごとに一回」のように書いていて、何日目までかという日の数え方までは書いていません。社内では「前回の実施日の1年後の同じ日の前日までに終える」のように安全側に決めておくと、日付の解釈で迷いません。その場合は次回期限の式を =IF(F2="","",EDATE(F2,E2)-1) にします。迷う場合は所轄の労働基準監督署に確かめてください。

使わない期間の扱い

各条文にはただし書があり、一定期間使用しない機械はその期間の検査が不要とされています。ただし使用を再開する際に検査が必要です。

機械除外される期間再開時
車両系建設機械(年次)一年を超える期間使用しない場合使用を再び開始する際に、各号の事項について自主検査を行う
車両系建設機械(月例)一月を超える期間使用しない場合
不整地運搬車(年次)二年を超える期間使用しない場合
フォークリフト(年次)一年を超える期間使用しない場合

「今月あまり使わなかった」は除外になりません

条文が想定しているのは一月を超える期間まったく使用しない場合です。少しでも使っているなら周期は進みます。「今月は現場が少なかったから」で飛ばすと欠測です。

遊休機は管理表から消さない

長期の遊休機を管理表から外すと、再稼働のときに再開時検査が必要なことを誰も知りません。「遊休」の状態を持たせて行は残すのが確実です。Excelなら状態の列を足し、遊休の行は残日数の色付けから外す条件を1つ加えます。

機種区分周期を決める鍵
管理番号記録を串刺しにする鍵
30日色を付ける目安
3年記録の保存
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運用を止めないための4つ

1. 年次と月例で列を分ける

周期も実施者も違うので、前回実施日を1列にまとめると計算できません。年次・月例それぞれに前回実施日と次回期限を持たせてください。

2. 担当は個人名で書く

「整備部」と書くと誰も自分ごとにしません。期限が来たときに動く人の名前を書いてください。

3. レンタル機も同じ管理表に載せる

借用機は自社の管理表に載らないため、期限が誰にも見えないまま現場に出ます。保有区分の列を足すだけで同じ管理表に載ります。扱いはレンタル建機の点検義務は誰が負うかで整理しています。

4. 年次は逆算して先に予約する

年次の特定自主検査は検査業者の順番待ちが発生します。期限の直前に依頼すると間に合いません。残日数が60日を切ったら手配するなど、動き出しの基準を決めておいてください。年間の組み方は検査の年間スケジュールの立て方で扱っています。

関連:建機の点検記録3年保存、現場を移動する建機の管理。条文はe-Gov法令検索(労働安全衛生規則)で確認できます。

建機の点検期限管理にかかわる最近の動き(2026年10月時点)

建機の点検期限管理のもとになる周期(年次は1年、不整地運搬車は2年、月例は1か月)は変わっていません。変わったのは、特定自主検査の中身を決める基準の位置づけと、貸す側・借りる側の措置の範囲です。一次情報で確かめられたものを日付順に並べます。

日付できごと期限管理表への影響
2025年5月14日改正労働安全衛生法(令和7年法律第33号)が公布された特定自主検査は厚生労働大臣の定める基準に従って行うこととされた(法45条3項)
2025年12月24日車両系建設機械・フォークリフト・高所作業車・不整地運搬車などの特定自主検査基準が告示された旧「定期自主検査指針」は廃止。周期の列はそのままでよい
2026年1月1日特定自主検査基準の適用と、法45条3項の施行2026年の年次検査から、記録の項目を新しい基準と見比べておくとよい
2026年4月1日改正法の主な部分が施行。注文者・元方事業者・機械の貸与者などの措置の対象が、一人親方などの「作業従事者」に広がったレンタル機や持込機の行に、点検をどちらが手配するかの列を足すと、契約の確認がしやすい
2026年5月27日令和7年の労働災害の確定値が公表された。建設業の死亡は214人、全産業のはさまれ・巻き込まれによる死亡は117人点検の期限切れを出さないことは、機械まわりの災害を減らす土台になる

ポイントは、基準が変わっても、いつまでに検査するかの決まりは同じことです。Excelの期限管理表は今の周期の表のまま回し、記録の言葉だけを新しい基準に合わせておけば足ります。

出典:e-Gov法令検索(労働安全衛生法)、同(労働安全衛生規則)、同(クレーン等安全規則)、厚生労働省「労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律案の概要」、厚生労働省 特定自主検査基準の制定等について、厚生労働省 令和7年の労働災害発生状況

確認日は2026年10月3日です。自社の機械がどの周期に当たるか、遊休の扱いでよいかは、所轄の労働基準監督署にご確認ください。新しい基準の中身は特定自主検査の新しい基準で扱っています。

建機の点検期限管理に出てくる用語

建機の点検期限管理の表を作るときに出てくる言葉です。周期の書き方は機種によって違うので、条文の言葉のまま並べます。

用語意味出典
定期自主検査事業者が自ら定期に行う検査。建機は年次と月例がある労働安全衛生法45条1項、安衛則167条・168条ほか
特定自主検査定期自主検査のうち、資格を持つ人か登録を受けた検査業者に実施させなければならないもの。建機・高所作業車・フォークリフトは年次、不整地運搬車は2年ごとの検査労働安全衛生法45条2項、安衛則151条の24・151条の56・169条の2・194条の26
一年以内ごとに一回車両系建設機械・高所作業車・移動式クレーンの年次の周期の書き方。日の数え方は条文に書かれていない安衛則167条・194条の23、クレーン則76条
一年を超えない期間ごとに一回フォークリフト・ショベルローダー等の年次の周期の書き方安衛則151条の21・151条の31
使用を再び開始する際の検査1年(不整地運搬車は2年、月例は1か月)を超えて使わなかった機械を使い始めるときの検査安衛則167条2項・151条の21第2項ほか
検査標章特定自主検査を行った年月が分かるように機械に貼る標章安衛則169条の2第8項ほか
性能検査移動式クレーン検査証の有効期間(原則2年)を更新するための検査。荷重試験を含むクレーン則60条・81条
EDATE指定した日付の何か月後の日付を返すExcelの関数。期限管理表で次回期限の計算に使う法令上の定義はない

建機の点検期限管理と一緒に押さえておきたいこと

建機の点検期限管理を調べると、点検アプリや設備管理システムの紹介が多く出てきます。ここでは、Excelの管理表で回すときに抜けやすい点を4つ置きます。

記録は3年、期限管理表とは別に残す

定期自主検査をしたら、検査年月日・方法・箇所・結果・実施者・補修の内容を記録し、3年間保存することとされています(安衛則169条、フォークリフトは151条の23、移動式クレーンはクレーン則79条)。期限管理表は「次はいつか」を見る表で、記録そのものではありません。前回実施日を書き換えると前の日付は消えるので、検査記録表は別に残し、管理表には記録表の保管場所を1列で書いておきます。

移動式クレーンは性能検査の期限も並べる

移動式クレーンは、年次の自主検査とは別に、検査証の有効期間(原則2年)ごとに性能検査を受けます(クレーン則60条・81条)。年次の自主検査の前2か月以内に性能検査の荷重試験をしていれば、自主検査の荷重試験は省けるとされています(同76条3項)。管理表に「検査証の有効期限」の列を1つ足して、年次の期限と並べると、荷重試験を1回にまとめる計画が立てやすくなります。

車検の点検と重なる部分は省ける

公道を走る車両系建設機械で、道路運送車両法48条1項の点検を行った部分は、年次の自主検査を行わなくてよいとされています(安衛則169条の2第6項)。省けるのは点検した部分だけで、作業装置などは残ります。管理表の備考に車検の時期を書いておくと、年次の手配と合わせて考えられます。

台数が増えたら、Excelのままでよいかを見直す

Excelの管理表は、1人が更新している間はよく回ります。拠点が増えて複数人が同じ表を書き換えるようになると、誰がいつ前回実施日を直したかが追えなくなります。台数が増えて記録と期限を一緒に持ちたくなったら、当サイトの点検板-建機(定期自主検査の記録を残すクラウド)で、配布しているExcelと同じ列のまま記録を残す方法もあります。Excelで回り続けているなら、そのままで構いません。

点検板 編集部がまとめました様式を無料で配り、使い方と法令の決まりを記事にまとめています。法令の数字は e-Gov の原文で確かめてから載せています。

よくある質問

Q. 建機の点検周期は全部同じですか
違います。車両系建設機械と高所作業車は年次が「一年以内ごとに一回」、フォークリフトは「一年を超えない期間ごとに一回」、不整地運搬車は「二年を超えない期間ごとに一回」です。管理表で一律に設定すると期限がずれます。
Q. 管理表に最低限どんな列が要りますか
対象名、管理番号、機種区分、保有拠点、周期、前回実施日、担当の7つです。これに次回期限(自動計算)と残日数を足すと、並べ替えだけで今月やるべきものが分かります。
Q. Excelで次回期限はどう計算しますか
前回実施日と周期の月数から EDATE 関数で出します。たとえば =IF(F2="","",EDATE(F2,E2)) とし、周期の月数は機種区分の表から XLOOKUP か VLOOKUP で引くと、不整地運搬車だけ24か月といった違いを入れ間違えません。
Q. 管理番号は何を使えばよいですか
銘板の機番を使うのが簡単です。点検表、持込機械等使用届、定期自主検査の記録を同じ番号で串刺しにできます。書類ごとに別の番号を振ると、後から突き合わせられません。
Q. 年次と月例の前回実施日は同じ列でよいですか
分けてください。周期も実施者も違うため、1列にまとめると次回期限を正しく計算できません。年次・月例それぞれに前回実施日と次回期限の列を持たせます。
Q. 使っていない月は月例を飛ばせますか
条文が想定しているのは一月を超える期間まったく使用しない場合です。少しでも使っているなら周期は進みます。「今月はあまり動かさなかった」という理由では除外になりません。
Q. 長期間使わない機械はどうしますか
各条文のただし書により、その期間の検査は不要です。ただし使用を再び開始する際に、各号の事項について自主検査を行う必要があります。管理表からは消さず、「遊休」の状態を持たせて行を残してください。
Q. レンタル機も管理表に載せるべきですか
載せることをおすすめします。借用機は自社の管理表に無いため、期限が誰にも見えないまま現場に出がちです。保有区分(自社/レンタル)の列を足すだけで同じ管理表で管理でき、返却後も記録の行が残ります。
Q. 次回期限は手入力でもよいですか
前回実施日と周期から自動計算する形にしてください。手入力にすると、実施日を更新したのに期限を直し忘れる、という食い違いが必ず起きます。
Q. 年次の手配はいつから動けばよいですか
検査業者の順番待ちがあるため、期限の直前では間に合わないことがあります。残日数が60日を切ったら手配する、といった動き出しの基準を決めておくと確実です。
Q. 担当欄は部署名でもよいですか
個人名にしてください。部署名だと誰も自分ごとにせず、期限が来ても動きません。期限が来たときに実際に動く人の名前を書きます。
重機管理台帳(保有機械一覧・検査期限つき)(Excel・無料)保有・リース・レンタルの重機を1枚に並べ、特定自主検査の次回期限を自動計算する台帳。残日数が30日を切ると赤くなります。
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本記事は一般的な情報の整理であり、法令への適合を保証するものではありません。個別の義務内容は所管行政庁または専門家にご確認ください。記事の内容は2026-10-03時点の情報です。