設備日常点検表の作り方|1ヶ月1枚のマトリクス様式を設計する
設備の日常点検表で最も普及しているのが1ヶ月1枚のマトリクス様式です。縦に点検項目、横に1〜31日を並べ、毎日○×を入れていく形。
この形式が定着しているのには理由があります。1枚で1ヶ月の履歴が見えるため、傾向に気づきやすいのです。この記事では、この様式の設計ポイントをまとめます。
この記事の内容(6項目)
マトリクス様式が優れている理由
1日1枚の様式
その日の記録は詳しく書けるが、1ヶ月分を並べないと傾向が見えない。紙が31枚になる。1ヶ月1枚のマトリクス
横に並ぶので「この項目、先週から×が続いている」が一目で分かる。紙は1枚。異常は連続して現れることが多いものです。「油漏れが3日続いている」「特定の曜日だけ異音がする」——こうしたパターンは、日付が横に並んでいるから見えます。
この程度まで可
項目をグループに分ける
項目が10を超えると、どこを見ているか分からなくなります。グループ見出しを入れると、視線が迷いません。
安全カバー
銘板・表示
異臭・発煙
計器の指示値
給脂
インターロック
配線・アース
工具の定位置
グループ分けすると、点検の順路と一致させられます。機械の周りを回りながら上から順にチェックできる並びにしてください。
判定記号と、異常時の記録
判定は3種類まで
- ○|異常なし
- ×|異常あり(下段に内容を記入)
- /|稼働なし(休業日・未使用日)
「/」を用意するのが実務のコツです。これがないと、休業日の空欄と記入漏れの空欄が区別できません。監査で「この日は点検していないのか」と聞かれたときに答えられなくなります。
異常時の記録欄は下段に大きく
マトリクスのマスには○×しか書けません。×を付けた日の詳細を書く欄を下部に設けます。書くのは4つです。
- 日付|どの日の×か
- 内容|何が起きたか
- 誰に報告したか|ここが最も重要
- 処置と結果|どうしたか、いつ直ったか
3番目を書かせるのが要点です。「報告した」という事実が残ると、報告を受けた側にも記録が残ることになり、放置されにくくなります。
設備 日常点検表(Excel・無料)
縦に項目(5グループ)・横に31日のマトリクス様式です。判定はドロップダウン、異常時の記録欄は4行分。記入例シートには、異常があった場合の書き方まで入れてあります。
設備 日常点検表を見る点検者と確認者の役割
| 点検者 | 確認者 | |
|---|---|---|
| 誰が | 設備を使う本人 | 職長・保全担当・管理者 |
| 頻度 | 毎日 | 週1回または月末 |
| 見るもの | 設備の状態 | ×の処置が完了しているか |
| サイン | 毎日 | 確認したとき |
確認者が全項目を毎日見る必要はありません。それをやろうとすると確認自体が形骸化します。週1回、×だけを追いかける——これで十分機能します。
逆に、1ヶ月すべて○の点検表が出てきたら注意してください。設備が絶好調なのではなく、×を付けにくい雰囲気がある可能性があります(点検が続かない理由)。
印刷と保管
- A4横で1枚に収める|31日分が入るサイズ。拡大縮小で調整
- 行の高さを確保|手書きするので18pt以上
- 設備の近くに置く|クリップボードで機械に掛ける
- 月末に回収してファイル|設備ごとにインデックスを付ける
保管期間は、法定の定期自主検査でなければ1年程度が目安です。ただし異常の記録がある月の分は、設備の保全履歴とあわせて長めに保管すると、更新判断の材料になります(保存期間の記事/保全履歴の記事)。
法定対象の設備は別様式で
フォークリフト・車両系建設機械・局所排気装置など、法定の点検義務がある設備は、法令の項目を満たした専用様式を使ってください。汎用の日常点検表に混ぜると、法定項目が満たされているかの確認ができなくなります(設備点検の種類と頻度)。
よくある質問
- Q. 1枚に何項目まで入れられますか?
- A4横で18項目程度までが実用的な上限です。ただし毎日見る項目は5〜8個に絞ることをおすすめします。それ以上は月次点検に回してください。
- Q. 同じ設備が複数台ある場合は?
- 1台1枚が原則です。設備番号を明記し、どの機械の記録かが分かるようにしてください。異常が特定の機械に偏っているかを見るためにも、分けたほうが有用です。
- Q. 交代勤務で点検者が変わる場合は?
- 各シフトの開始時に点検し、点検者名の行を交代分だけ用意します。前のシフトの記録を見てから作業を始める運用にすると、引き継ぎにもなります。
- Q. Excelに直接入力する運用でもよいですか?
- 可能ですが、現場にPCがない場合は続きません。印刷して手書き→月末にファイル、が最も定着しやすい形です。
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本記事は一般的な情報の整理であり、法令への適合を保証するものではありません。個別の義務内容は所管行政庁または専門家にご確認ください。記事の内容は2026-10-07時点の情報です。