設備点検

設備月次点検の作り方|数値を残して故障の予兆をつかむ

公開 2026-06-23更新 2026-09-22 執筆 点検板 編集部

日常点検が「今日使えるか」を見るのに対し、月次点検は「この先も使えるか」を見ます。目的が違うので、項目も記録の仕方も変わります。

最大の違いは数値を残すこと。○×だけの月次点検表は、日常点検の焼き直しにしかなりません。この記事で月次点検の設計をまとめます。

設備月次点検表(Excel・無料)日常点検では見ない箇所を月1回まとめて確認するための、やや踏み込んだ点検表。
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この記事の内容(5項目)

月次点検で見る5領域

領域主な項目数値で残すもの
駆動・伝動給脂、ベルト・チェーンの張り、カップリング、軸受け軸受け温度、振動
締結・構造基礎ボルト、フレーム、防振ゴム
電気配線・端子、制御盤内の粉じん、表示灯電流値、絶縁抵抗
安全装置非常停止、インターロック、リミッタ、警報作動圧力・作動温度
流体・潤滑油量、油の汚れ、漏れ、フィルタ圧力、差圧、油量
5領域月次点検の構成
数値○×では見えない
変化を捉える
3ヶ月傾向が見え始める
期間
安全装置月次で必ず
作動確認する

安全装置の作動確認は月次で必ず行ってください。非常停止ボタンやインターロックは、普段使わないため壊れていても気づきません。いざというときに効かない事態を防ぐには、定期的に押して確かめるしかありません。

なぜ数値で残すのか

○×だけの記録

「電流値:○(正常)」
3ヶ月続けても「正常」しか残らない
故障の直前まで何も見えない。

数値の記録

「電流値:12.1A → 12.8A → 13.5A」
上昇傾向が見える
壊れる前に手が打てる。
数値が教えてくれること
電流値の上昇負荷の増大
軸受けの劣化
温度の上昇冷却不良
潤滑不足
差圧の上昇フィルタの目詰まり
油量の減少シールの劣化
内部漏れ
いずれも「正常範囲内だが変化している」段階で気づけるのが数値記録の価値

測定値は同じ条件で測ることが前提です。負荷の状態、運転時間、測定箇所を揃えないと比較になりません。点検表に「測定条件」の欄を設けておくと、条件が変わったときに気づけます。

設備月次点検表(Excel・無料)日常点検では見ない箇所を月1回まとめて確認するための、やや踏み込んだ点検表。
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日常・年次との役割分担

日常点検月次点検年次点検
目的今日使えるかこの先も使えるか法定義務/分解整備
誰が使う本人保全担当有資格者・専門業者
記録○×中心数値中心詳細な検査記録
時間1〜2分15〜30分半日〜

月次点検は設備を止めて行う項目が含まれます(給脂、締結部の増し締め、安全装置の作動確認)。生産計画に組み込んでおかないと「今日は忙しいから来週」が続き、結局やらなくなります。月の何日にやるかを固定してください。

設備 月次点検表(Excel・無料)

駆動・締結・電気・安全装置・流体・清掃の6区分で点検でき、測定値を記録する欄があります。所見と処置、次回までの対応を書く総括欄つき。

設備 月次点検表を見る

法定の定期自主検査と混同しない

「月次点検」という言葉は、社内の自主的な点検と、法定の定期自主検査の両方に使われます。この2つは別物です。

  • 社内の月次点検|自社で項目・頻度を決める。記録の保存義務なし
  • 法定の定期自主検査(月例)|フォークリフト・建機・クレーンなど。項目が法定、記録3年保存

法定対象の機械については、法令の項目を満たした専用の様式を使ってください(特定自主検査の記事)。社内の月次点検表に混ぜると、法定項目が満たされているかの確認ができなくなります。

記録を保全履歴につなげる

月次点検で見つけた異常と、その処置は設備の保全履歴に蓄積してください。「いつ何を交換したか」が残ると、次の交換時期が読めるようになります(保全履歴の記事)。

点検体系全体の設計は設備点検の種類と頻度にまとめています。

よくある質問

Q. 月次点検はいつ実施するのがよいですか?
毎月同じ日(第1営業日、5日など)に固定するのがおすすめです。設備を止める必要がある場合は、生産計画に組み込んで事前に調整してください。
Q. 測定器がない場合はどうすればよいですか?
クランプメーター(電流)、放射温度計(温度)、差圧計があれば大半の項目に対応できます。いずれも高価なものではないため、投資する価値があります。
Q. 測定値の正常範囲はどう決めますか?
メーカーの仕様書に記載があればそれに従います。ない場合は、設備が正常な時期の実測値を数回とって基準値とし、そこからの変化率で判断してください。
Q. 月次点検の記録はどのくらい保管しますか?
社内の月次点検に法定の保存義務はありませんが、傾向の分析には最低でも1〜2年分が必要です。設備を廃棄するまで保管すると、更新の判断材料になります。
設備月次点検表(Excel・無料)日常点検では見ない箇所を月1回まとめて確認するための、やや踏み込んだ点検表。
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この記事で紹介した無料テンプレート

本記事は一般的な情報の整理であり、法令への適合を保証するものではありません。個別の義務内容は所管行政庁または専門家にご確認ください。記事の内容は2026-09-22時点の情報です。