建設機械・荷役車両

重機管理台帳の作り方|検査の期限と資格を1枚で持つ

公開 2026-09-17 執筆 点検板 編集部

重機の管理でいちばん起きやすいのは、「あの機械、特定自主検査いつまでだったか」が分からなくなることです。機体ごとに検査の時期が違い、現場に出たり戻ったりするので、記憶では追えません。

重機管理台帳は、その期限を1枚で見るための表です。この記事では、列に何を持たせるか、次回期限をどう自動計算するか、リースやレンタルをどう扱うかを整理します。

重機管理台帳(保有機械一覧・検査期限つき)(Excel・無料)保有・リース・レンタルの重機を1枚に並べ、特定自主検査の次回期限を自動計算する台帳。残日数が30日を切ると赤くなります。
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この記事の内容(6項目)

重機管理台帳に持たせる列は5種類に分かれる

重機管理台帳の列は、性格の違う5種類に分けて考えると決めやすくなります。

種類列の例変わる頻度
機械そのもの管理番号・機種・メーカー・型式・機番・年式・機体重量ほぼ変わらない
持ち方自社/リース/レンタル/返却済/売却済数年に1回
居場所配置(現場名・保管場所)よく変わる
検査の期限特定自主検査の実施日・周期・次回期限・残日数・状態年1回
運転に必要な資格・整備の担当ほぼ変わらない

ポイントは「よく変わる列」を1つに絞ることです。居場所の列が複数あると、更新されない列が必ず出ます。現場名だけを更新する運用にして、細かい移動は別の記録に回すと台帳が生き残ります。

次回期限は自動計算にする

重機管理台帳で手で計算してはいけないのが期限です。機体が10台あれば10通りの期限があり、手で引くと必ずずれます。

Excelなら EDATE で足りります。実施日に周期(月数)を足すだけです。

出るもの
次回期限=EDATE(実施日, 周期の月数)2027/04/10 のような日付
残日数=次回期限 - TODAY()205 のような数
状態=IF(残日数<0,"期限超過",IF(残日数<=30,"要手配",...))期限超過/要手配/接近

周期は機械で分かれる

特定自主検査(年次)の周期は、不整地運搬車だけが2年で、それ以外の車両系建設機械・高所作業車・フォークリフトは1年です。台帳では周期の列を月数(12か24)で持つと、同じ式のまま両方を扱えます。

条文の言い回しは機械ごとに違い、「一年以内」と「一年を超えない期間」の2通りがあります。実務上の管理は1年で構いませんが、書類に周期を書くときは条文の言い回しに合わせると、監督署の臨検で説明がしやすくなります。

リース・レンタルの機械も台帳に載せる

台帳から抜けやすいのが、借りている機械です。「うちの資産ではないから」と外してしまうと、次の2つが追えなくなります。

借りた機械で残る義務
作業開始前点検(170条)使う側の義務。貸した側の点検では代えられない
作業計画・周知(155条)機械の種類と能力を書くので、何を借りたかが要る
事故のとき「どの機械を使っていたか」を示す資料になる
所有していなくても、使っている間の義務はこちらに来る

持ち方の列を「自社/リース/レンタル」で分けておけば、資産管理の表とは別のまま、安全管理の台帳として成立します。返却したら行を消さずに「返却済」に変えるのがコツです。検査記録の3年保存(169条)は、手放しても続きます。

誰が検査の義務を負うかは、契約の形で変わります。レンタル建機の点検義務は誰が負うかで条文から整理しています。

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運転資格の列は「3トン」で分かれる

重機管理台帳に運転資格の列を置くと、配車のときに取り違えが減ります。分かれ目は機体重量3トンです。

機体重量必要な資格台帳の書き方の例
3トン以上車両系建設機械運転技能講習技能講習(3t以上)
3トン未満特別教育特別教育(3t未満)

機体重量の列と資格の列を並べて置くと、数字と資格が食い違っている行が目で見つかります。ミニショベルは3トン未満のことが多いのですが、機種名ではなく機体重量で判断してください。同じ「ミニ」でも3.0tを超える型式があります。

誰がどの資格を持っているかは、機械の台帳ではなく人の一覧で持ちます。有資格者一覧表の作り方を参考にしてください。

月初に開く運用にする

台帳は作ったあとに開かれなくなります。開く日を決めるのがいちばん効きます。

おすすめは月初です。状態の列(期限超過/要手配)を上から見て、要手配の機械だけその週に連絡します。残日数が減っていくのを眺めているだけでは、期限は止まりません。

月初の5分でやること
① 状態の列を見る期限超過があれば、その機械を止める
② 要手配に連絡検査業者へ日程を入れる
③ 配置を更新先月動いた機械の現場名を直す
①で止める判断をしないと、色が変わるだけで終わる

配布している重機管理台帳は、次回期限・残日数・状態が自動で出て、残り30日を切ると赤くなります。月例検査の実施日と検査標章の欄も持たせてあります。

よくある質問

Q. 重機管理台帳に決まった様式はありますか
ありません。行政に提出する所定の様式ではなく、社内の管理用です。ただし特定自主検査の記録(安衛則169条)は3年保存が必要なので、台帳とは別に検査記録そのものを残してください。
Q. 何台くらいから台帳が要りますか
台数よりも、機種の散らばりで決まります。1機種だけなら周期も資格も同じなので記憶で追えますが、機種が3種類を超えると周期と資格の組み合わせが増えて、抜けが出ます。
Q. Excelとクラウドのどちらがよいですか
機械が20台までで、見る人が1〜2人ならExcelで足ります。複数の現場から同時に更新する、写真や検査記録を紐づけたい、といった段階になると共有の仕組みが要ります。まずExcelで列を固めてから考えると、移行が楽になります。
Q. 売却した機械の行は消してよいですか
消さずに区分を「売却済」に変えてください。検査記録の3年保存は、機械を手放しても保存期間が来るまで続きます。行を消すと、どの記録がどの機械のものか分からなくなります。
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本記事は一般的な情報の整理であり、法令への適合を保証するものではありません。個別の義務内容は所管行政庁または専門家にご確認ください。記事の内容は2026-09-17時点の情報です。