建機の月例検査を複数台まとめて記録する|台帳型の管理
建機を5台、10台と保有すると、機体ごとの点検表がバラバラに存在する状態になります。「今月、どの機体の検査が終わっていないか」——これが一目で分からなくなるのが、台数が増えたときの問題です。
この記事では、月例の定期自主検査を1枚の台帳にまとめる方法と、機種ごとに違う検査項目への対応をまとめます。
この記事の内容(6項目)
1台1ファイルと台帳型の使い分け
1台1ファイル型
始業前・月例・年次を1機体分まとめる。その機体の履歴が追いやすい。
台数が少ないときに向く。
台帳型(複数台)
月例検査だけを全機体分、1枚に。今月の未実施が一目で分かる。
台数が多いときに向く。
おすすめは併用です。始業前点検は1台1ファイル(現場に置く)、月例検査は台帳型(事務所で管理)。役割が違うため、無理に統一する必要はありません。
なる規模
最も簡単な方法
機種ごとに検査項目が違う問題
台帳型で困るのが、機種によって法定の検査項目が違うことです。
| 機種 | 根拠 | 主な検査項目 |
|---|---|---|
| 車両系建設機械 (油圧ショベル等) | 安衛則168条 | ブレーキ・クラッチ・操作装置・作業装置/ワイヤロープ・チェーン/バケット・ジッパー等 |
| 高所作業車 | 安衛則194条の24 | 制動装置・操作装置・作業装置/ワイヤロープ・チェーン/ガイド等 |
| 不整地運搬車 | 安衛則151条の53 | 制動装置・クラッチ・操作装置/荷台の状態 ほか |
| フォークリフト | 安衛則151条の22 | 制動装置・クラッチ・操縦装置/荷役装置・油圧装置/車輪/保安装置 |
解決策:共通項目+自由記入
台帳では次の構成にします。
- 共通の3列|「ブレーキ・クラッチ・操作装置・作業装置」「ワイヤロープ・チェーンの損傷」「バケット・ジッパー等の損傷」
- 該当しない機種は「対象外」|ドロップダウンで選べるようにする
- 「その他の検査項目・測定値」欄|機種固有の項目(高所作業車のガイド等)をここに書く
これで大半の機種を1つの台帳で扱えます。機種を選ぶドロップダウンを用意しておくと、集計もしやすくなります。
次回期限を自動計算する
台帳型の最大の利点がこれです。検査年月日を入れると、次回期限(1ヶ月後)が自動で出るようにしておきます。
→ 2026/9/5
=未実施
関数の使い方はExcelで次回期限を自動計算する方法で解説しています。EDATEとTODAYの2つだけです。
車両系建設機械 定期自主検査 記録表(Excel・無料)
機種をドロップダウンで選び、共通3項目+その他の測定値を記録できます。検査年月日から次回期限を自動計算。記録3年保存に対応した台帳型です。
定期自主検査 記録表を見る年次(特定自主検査)は別管理
月例の台帳とは別に、年次の特定自主検査の期限管理が必要です。こちらは検査業者または有資格者しか実施できず、検査標章の貼付があります。
- 検査標章の年月を台帳に転記する|機体に貼ってあるステッカーを見て記録
- 期限の2ヶ月前に業者へ予約|繁忙期は取れないことがある
- レンタル機は搬入時に標章を確認|期限切れの機体を使わない
月例と年次を1枚に混ぜると、実施者も周期も違うため混乱します。年次は点検期限管理表に載せるのが実務的です(期限管理表)。制度の全体像は特定自主検査と定期自主検査の違いをご覧ください。
監督署の臨検で見られること
建機を扱う事業場では、次が確認されます。台帳が整っていれば、すべて即答できます。
- 保有機体の一覧|何台あるか
- 月例検査の実施状況|直近3年分、抜けがないか
- 特定自主検査の実施状況|検査標章と記録
- 異常があった場合の処置|指摘して直したか
- 運転者の資格|技能講習修了証・特別教育の記録
5番目の資格の管理も忘れないでください。点検記録が完璧でも、無資格運転が見つかれば重大な違反です。資格証の写しと、誰がどの資格を持つかの一覧を用意しておきましょう(安全衛生教育の記録)。
よくある質問
- Q. 月例検査は同じ日にまとめて実施してよいですか?
- 問題ありません。むしろ実施日を固定(毎月第1営業日など)するほうが、期間超過を防げます。台数が多い場合は数日に分けても構いません。
- Q. レンタル機も台帳に載せますか?
- 1ヶ月を超えて使用する機体は月例検査の義務が使用者に生じるため、台帳に載せてください。短期レンタルは搬入時の確認記録として残すとよいでしょう。
- Q. 記録は電子データでもよいですか?
- 法令は保存形式を定めていないため、Excelでの保存も可能と解されています。ただし改ざんできない形(PDF化)での保管が望ましく、バックアップも必要です。
- Q. 検査を外注した場合の記録は?
- 業者の報告書を受け取り、台帳にも実施日と結果を転記してください。報告書だけだと一覧性がなく、未実施の機体を見つけられません。
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本記事は一般的な情報の整理であり、法令への適合を保証するものではありません。個別の義務内容は所管行政庁または専門家にご確認ください。記事の内容は2026-09-28時点の情報です。