重機のKY 例文と記入例|機械と人が近づく場面から書く
重機のKYは、書くことが毎日似てきます。「重機に注意する」「周囲をよく見る」で埋まってしまい、読み返しても何を決めたのか分からない記録になりがちです。
重機のKYで具体的に書くコツは1つで、機械と人が近づく場面を先に挙げることです。この記事では、旋回・後進・積込み・法面・アタッチメント交換など場面ごとに、そのまま使える例文を並べます。
この記事の内容(7項目)
重機のKYは「〜なので〜になる」の形で書く
重機のKYで書き方が決まっていないと、危険の欄が「転倒の危険」「接触の危険」という単語で終わります。単語だけだと対策が決められません。
一般には、「〜なので、〜になる」という形で書くと具体的になります。原因と結果をつなぐ形です。
| 書き方 | |
|---|---|
| ぼんやり | 重機との接触に注意する |
| 具体的 | 旋回範囲に立入禁止の表示が無いので、後方から近づいた作業員がカウンタウェイトに挟まれる |
対策も同じです。「注意する」「気をつける」は対策になりません。誰が・何を・どうするかまで書きます。「旋回範囲をカラーコーンで囲い、進入するときは運転者に手を挙げて合図してから入る(担当:森)」のように書ければ、翌日も同じ運用ができます。
重機のKY 例文|旋回・後進のとき
重機の災害でいちばん多いのは、機械のそばにいる人が巻き込まれる形です。旋回と後進の例文から挙げます。
| 作業ステップ | 予想される危険(例文) | 対策(例文) |
|---|---|---|
| 旋回して積み込む | 旋回範囲に人が入れる状態なので、カウンタウェイトに挟まれる | 旋回範囲をバリケードで囲う。旋回は道路と反対側に固定する |
| 機械の後進 | 後方が死角になるので、通行中の作業員に接触する | 後進時は誘導員を置き、合図が見えないときは動かさない |
| 狭い場所での方向転換 | 片側が壁で逃げ場が無いので、挟まれて逃げられない | 方向転換の位置を決め、その範囲は人の立入りを禁止する |
| 作業員が運転者に近づく | 運転者が気づかないので、動き出した機械に巻き込まれる | 目が合ってから近づく。合図を返すまで待つ |
ここで大事なのは、立入禁止にするか、誘導者を置くか、どちらかを必ず選ぶことです(安衛則158条)。KYの対策欄に「注意して旋回する」とだけ書かれている日は、どちらも決まっていない日です。
重機のKY 例文|掘削・法面・地盤のとき
地盤に関する危険は、前日と同じ場所でも雨で変わります。朝のKYで前日の写しを使うと、この変化が落ちます。
| 作業ステップ | 予想される危険(例文) | 対策(例文) |
|---|---|---|
| 法肩で掘削する | 前夜の雨で地盤が緩んでいるので、機械ごと法面を滑り落ちる | 法肩から2m以内に履帯を入れない。敷鉄板を6枚敷いてから進入する |
| 掘削面の近くを通る | 掘削面に亀裂があるので、土砂が崩れて下にいる人が埋まる | 作業前に掘削面を見て回る。亀裂を見つけたら作業を止めて職長へ連絡する |
| 埋設物のある場所を掘る | 上水管が浅い位置を横断しているので、バケットが当たって破損・出水する | 横断部は標示ロープで示し、手掘りに切り替える |
| ダンプへの積込み | ダンプの運転席の上を通すので、落石でキャビンが壊れる | 運転席の上を通さない向きに機械を据える。積込み中は運転者を車外に出す |
重機のKY 例文|架空線・交通・アタッチメント交換
| 作業ステップ | 予想される危険(例文) | 対策(例文) |
|---|---|---|
| ブームを上げる作業 | 東側に高圧線があるので、ブームが接近して感電する | ブームの最大高を5.0mに制限し、監視人を1人立てる |
| 公道に面した作業 | 歩道側に旋回するので、通行人に接触する | 歩道側に保安員を置く。旋回は現場側に固定する |
| アタッチメントの交換 | 油圧の残圧が残っているので、配管を外したときに作動油が噴き出す | 残圧を抜いてから外す。保護めがねを着用する |
| 交換後の試運転 | 抜け止めが入っていないので、作業中にアタッチメントが落下する | ピンと抜け止めを指揮者が目で確認してから、無負荷で作動を確認する |
| 猛暑日の作業 | キャビン内の温度が上がるので、運転者が熱中症になる | 1時間ごとに交代して休憩する。飲料を機械のそばに置く |
アタッチメントの交換は、安衛則165条で作業を指揮する者を定めることになっています。KYの担当欄に指揮者の名前を書いておくと、そのまま手順書の記録にもなります。
KYが形だけになる3つのパターン
重機のKYが続かない現場には、似た形があります。
止める方法は「その日の条件を1つ書かせる」
全部を変えようとすると続きません。天候・地盤・人の入れ替えのうち、その日に変わったものを1つだけ書くところから始めると、写しではなくなります。前日と同じなら「前日と同じ(雨なし・人員同じ)」と書けば十分です。
KY全般の進め方はKY活動(危険予知)の書き方にまとめています。
重機のKY記録は、様式を決めてから配る
例文が手元にあっても、書く欄が無いと同じ形にはなりません。配布している危険予知(KY)活動記録表は、作業ステップ・予想される危険・重点・対策・担当の5列で、上の例文がそのまま入る形にしてあります。工種別の記入例(舗装工事など)も同じブックに入っています。
重機の現場では、KYとあわせて条文の措置が取れているかを見るチェックリストを1枚持っておくと、朝礼で話す内容が整理されます。
よくある質問
- Q. 重機のKYは毎日やる必要がありますか
- KY活動そのものは法令上の義務ではありませんが、作業内容や地盤の状態が変わる現場では、毎日行う意味があります。条文で毎日求められているのは作業開始前点検(安衛則170条)のほうです。
- Q. 例文をそのまま使ってもよいですか
- 出発点として使ってください。ただし、その日の現場の条件(天候・地盤・人員・周辺)を1つは自分の言葉で足してください。そこが抜けると、前日の写しと同じ状態になります。
- Q. KYの記録は何年保存しますか
- KY記録の保存期間を定めた条文はありません。実務では1年程度を目安に保管し、災害やヒヤリハットがあった日の記録は長めに残している現場が多くあります。
- Q. 重機のKYと作業計画書は別に要りますか
- 別のものです。作業計画(安衛則155条)は事業者が定めるもので、運行経路と作業の方法を関係労働者に周知します。KYはその日の作業者どうしで危険を出し合う場です。
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本記事は一般的な情報の整理であり、法令への適合を保証するものではありません。個別の義務内容は所管行政庁または専門家にご確認ください。記事の内容は2026-09-17時点の情報です。