建設機械・荷役車両

検査標章の見方と貼り方|貼るのは検査業者ではなく事業者です

公開 2026-08-25 執筆 点検板 編集部

特定自主検査を受けた機械には検査標章が貼られます。検査業者が来て検査をして、そのまま貼っていくので「業者が貼るもの」だと思われがちですが、条文上の義務者は事業者です。

この違いは、標章が貼られていない機械を見つけたときに効いてきます。業者の仕事だと思っていると「貼り忘れている」で終わりますが、義務者が自社であれば自社の不備です。この記事では条文を確認したうえで、標章から何を読み取るかを整理します。

持込機械 受入チェック表(Excel・無料)元請が、下請の持ち込む機械を現場で受け入れるときに確認した内容を1行1台で残す台帳。使用届の受理、検査標章の年月、定期自主検査の記録の提示、運転資格、作業計画、添付された点検表の名前、到着時の外観、不備の是正期限と再確認までを並べています。全建統一様式の「持込機械等使用届」そのものではありません。
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この記事の内容(5項目)

条文はどう書いているか

機械ごとに別々の条文に、ほぼ同じ文言で置かれています。

機械条文文言
車両系建設機械安衛則169条の2第8項事業者は、…自主検査を行つたときは、当該機械の見やすい箇所に、特定自主検査を行つた年月を明らかにすることができる検査標章をはり付けなければならない
フォークリフト安衛則151条の24第5項
不整地運搬車安衛則151条の56第5項
条文が求めている3つ
① 誰が事業者(検査業者ではない)
② どこに見やすい箇所
③ 何を特定自主検査を行った年月が分かるもの
条文が要求しているのは「年月が分かること」。デザインや色は条文の要求ではない

検査業者が貼ってくれても義務は事業者にあります

実務では検査業者が貼っていきます。それ自体に問題はありませんが、貼られていないことの責任は事業者に残ります。検査後に標章が貼られたかどうかは、事業者側で確認する事項です。

移動式クレーンには標章がありません

検査標章は特定自主検査の制度です。移動式クレーンは移動式クレーン検査証で有効性を確認します。制度が別なので、標章を探しても見つかりません。ラフテレーンクレーンの点検で整理しています。

標章から何が分かるか

標章で確認できるのは基本的に「いつ特定自主検査を行ったか」です。ここから次回期限を逆算します。

読み取ること使い道
検査を行った年月次回期限の起算。車両系建設機械なら一年以内、不整地運搬車なら二年を超えない期間
検査の種別(検査業者検査/事業内検査)誰が実施したかの区別。記録の「検査を実施した者の氏名」欄の書き方に対応する
標章が無い未実施か、実施したが貼っていないか。記録を見て判断する

期限は標章ではなく記録で管理する

標章は現物を見に行かないと確認できません。機械が現場に出ていると見に行けないので、台帳側に前回実施日を持ち、期限を計算する形にしてください。標章は現物確認のときの照合手段として使います。

標章の色や様式は運用によります

標章は建設荷役車両安全技術協会(建荷協)が管理・頒布しており、年ごとの色分けなどの運用があります。ただし色や様式そのものは条文の要求ではありません。最新の取扱いは建荷協または各支部にご確認ください。

持込機械 受入チェック表(Excel・無料)元請が、下請の持ち込む機械を現場で受け入れるときに確認した内容を1行1台で残す台帳。使用届の受理、検査標章の年月、定期自主検査の記録の提示、運転資格、作業計画、添付された点検表の名前、到着時の外観、不備の是正期限と再確認までを並べています。全建統一様式の「持込機械等使用届」そのものではありません。
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受入時・持込時に何を確認するか

レンタル機や中古機を受け入れるとき、標章は最初の手がかりになります。

① 標章の年月を見る
② 次回期限を計算する
③ 使用予定期間と重なるか確認
④ 重なるなら誰が手配するか決める

レンタル機の場合

年次の特定自主検査はレンタル会社が済ませた状態で貸し出すのが通例です。標章の年月から、レンタル期間中に期限が来ないかを逆算してください。来るなら、誰が手配するかを契約段階で決めておきます。詳しくはレンタル建機の点検義務は誰が負うかで扱っています。

中古機を買った場合

標章が貼られていても、記録が引き継がれているとは限りません。標章は年月を示すだけで、検査事項の結果や措置の内容までは分かりません。記録の引き継ぎについては中古建機を買ったときの点検で扱っています。

持込機械等使用届に書くとき

点検状況の欄に書く年月は、標章の年月と一致させてください。ここが食い違うと元請から確認が入ります。標章を写真に撮って添える運用の現場も増えています。

事業者貼付義務者
年月標章が示すもの
見やすい箇所貼る場所の要件
3年記録は別に保存

よくある取り扱いの誤り

1. 標章があるから記録は不要だと思う

標章と記録は別の義務です。標章は年月を示すだけで、記録6項目(検査年月日/検査方法/検査箇所/検査の結果/検査を実施した者の氏名/補修等の措置を講じたときはその内容)は別に3年保存する必要があります。

2. 古い標章を剥がさない

何年分も重なっていると、どれが最新か分からなくなります。運用として、最新のものが分かる状態にしておくことが条文の「年月を明らかにすることができる」に沿います。

3. 見えない場所に貼る

条文は「見やすい箇所」と書いています。泥をかぶる場所や、扉を開けないと見えない場所は趣旨に合いません。受入時に外から確認できる場所が実務的です。

4. 月例の実施を標章で示そうとする

標章は特定自主検査(年次)についてのものです。月例の定期自主検査には標章の制度がなく、記録でしか示せません。月例が抜けているかどうかは、標章を見ても分かりません。

関連:車両系建設機械の定期自主検査、特定自主検査を受けていないとどうなるか。条文はe-Gov法令検索(労働安全衛生規則)で確認できます。

よくある質問

Q. 検査標章は誰が貼りますか
事業者です。車両系建設機械は安衛則169条の2第8項、フォークリフトは151条の24第5項、不整地運搬車は151条の56第5項が、いずれも事業者に貼付を義務づけています。実務では検査業者が貼っていきますが、貼られていないことの責任は事業者に残ります。
Q. 標章には何が書かれていますか
条文が求めているのは「特定自主検査を行つた年月を明らかにすることができる」ことです。つまり検査を行った年月が分かることが要件です。デザインや色そのものは条文の要求ではなく、建荷協の運用によります。
Q. 標章があれば記録は不要ですか
不要にはなりません。標章と記録は別の義務です。記録は6項目(検査年月日・検査方法・検査箇所・検査の結果・検査を実施した者の氏名・補修等の措置の内容)を3年間保存する必要があります。
Q. 標章から次回の期限は分かりますか
検査を行った年月が分かるので、そこから逆算できます。車両系建設機械・高所作業車は一年以内ごと、フォークリフトは一年を超えない期間ごと、不整地運搬車は二年を超えない期間ごとです。ただし期限管理は台帳側で行い、標章は現物確認の照合手段として使うのが実務的です。
Q. 古い標章は剥がすべきですか
運用として、最新のものが分かる状態にしておくことをおすすめします。条文が求めているのは「年月を明らかにすることができる」ことなので、何年分も重なってどれが最新か分からない状態は趣旨に合いません。
Q. どこに貼ればよいですか
条文は「見やすい箇所」と定めています。泥をかぶる場所や、扉を開けないと見えない場所は趣旨に合いません。受入時に外から確認できる場所が実務的です。
Q. 移動式クレーンにも検査標章はありますか
ありません。検査標章は特定自主検査の制度で、移動式クレーンは移動式クレーン検査証で有効性を確認します。制度が別なので標章を探しても見つかりません。
Q. 月例の実施も標章で分かりますか
分かりません。標章は特定自主検査(年次)についてのものです。月例の定期自主検査には標章の制度がなく、記録でしか示せません。
Q. レンタル機では何を確認すればよいですか
標章の年月を見て次回期限を計算し、レンタル期間中に期限が来ないかを確認してください。来る場合は誰が手配するかを契約段階で決めておきます。年次はレンタル会社が済ませた状態で貸し出すのが通例です。
Q. 持込機械等使用届に書く年月はどこから取りますか
標章の年月と一致させてください。届出の点検状況欄と標章が食い違うと元請から確認が入ります。標章を写真に撮って添える運用の現場も増えています。
持込機械 受入チェック表(Excel・無料)元請が、下請の持ち込む機械を現場で受け入れるときに確認した内容を1行1台で残す台帳。使用届の受理、検査標章の年月、定期自主検査の記録の提示、運転資格、作業計画、添付された点検表の名前、到着時の外観、不備の是正期限と再確認までを並べています。全建統一様式の「持込機械等使用届」そのものではありません。
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本記事は一般的な情報の整理であり、法令への適合を保証するものではありません。個別の義務内容は所管行政庁または専門家にご確認ください。記事の内容は2026-08-25時点の情報です。