建設機械・荷役車両

特定自主検査記録表|対象機械5種の様式と、残さなければならない6つの記録事項

公開 2026-08-15更新 2026-08-27 執筆 点検板 編集部

特定自主検査記録表を探して来られた方の多くは、2つのうちどちらかで困っています。これから検査を受けるので様式をそろえたいか、検査業者から記録表を受け取ったが、この後どう扱えばよいか分からないかです。

特定自主検査記録表は、検査そのものの紙であると同時に、事業者が3年間持ち続ける記録でもあります。この2つの顔が混ざるため、「様式は誰が用意するのか」「自社で作ってよいのか」で迷いが起きます。

この記事では、特定自主検査記録表について、条文が決めている6つの記録事項対象機械5種の周期と根拠条文様式の入手先と自社で作ってよい範囲、そして受け取った後の保存と検査標章の管理までを、順に整理します。機械別の無料Excelもあわせて置いています。

特定自主検査 記録・検査標章 管理台帳(Excel・無料)フォークリフト・車両系建設機械・高所作業車・不整地運搬車・動力プレスの特定自主検査(年次)と定期自主検査(月例)の記録を、機械をまたいで1枚で管理する台帳。安衛則169条の記録6事項をそのまま列にし、次回期限日・検査標章の管理・記録の保存期限(3年)を自動計算します。検査そのものの様式ではなく、受け取った記録表を管理するための様式です。
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この記事の内容(9項目)

特定自主検査記録表とは|検査の紙であり、3年残す記録でもある

特定自主検査記録表は、労働安全衛生法45条2項の特定自主検査を行ったときに、その結果を書き残す紙です。ポイントはここです。特定自主検査記録表は、作るタイミングと持ち続ける人が分かれています。

場面誰が特定自主検査記録表はどうなるか
検査を行うとき登録検査業者、または事業内検査者(有資格者)検査を行う人が記入する。検査項目と判定基準は告示で決まっている
検査が終わった後事業者(機械を使う会社)受け取って3年間保存する。あわせて検査標章を貼る

一般には、検査業者に依頼している事業場が多く、その場合の特定自主検査記録表は業者側の様式で出てきます。自社で様式を用意する必要はありません。事業者側の仕事は、受け取った記録表を3年間そろえておくことと、次の期限を切らさないことの2つです。

特定自主検査と定期自主検査は別の紙になる

特定自主検査記録表と並んで、月ごとの定期自主検査の記録も必要です。周期も、実施できる人も違うため、実務では別の紙にするのが扱いやすくなります。制度そのものの全体像は特定自主検査とは、2つの検査の関係は特定自主検査と定期自主検査の違いで整理しています。

6事項記録に書く内容(安衛則169条ほか)
3年特定自主検査記録表の保存期間
5種特定自主検査の対象になる機械

特定自主検査記録表に書く6つの事項|条文が決めているのはここだけ

特定自主検査記録表の中身のうち、法令が「これを記録して保存せよ」と決めているのは6つです。車両系建設機械なら安衛則169条、フォークリフトなら151条の23、高所作業車なら194条の25、不整地運搬車なら151条の55、動力プレスなら135条の2に、それぞれ同じ6つが並んでいます。

#記録する事項実務でつまずきやすい点
1検査年月日次回期限の起算日になる。標章の年月とずれることがある
2検査方法目視・作動・計測など。業者様式では検査項目ごとに入っている
3検査箇所告示の別表に沿う。ここを自社で組み替えない
4検査の結果異常なしで終わることが多いが、空欄のまま渡されることがある
5検査を実施した者の氏名検査業者に実施させたときは「検査業者の名称」に読み替わる(安衛則169条の2第7項ほか)。個人名が無くても不足ではない
6補修等の措置を講じたときは、その内容後日補修した場合、記録表に追記されず抜けやすい

特定自主検査記録表を受け取ったら、まずこの6つが埋まっているかを見てください。いちばん抜けやすいのは6番です。「後日部品交換」で終わって、記録表が更新されないまま綴じられることがあります。

5番は読み替えの規定があります。検査業者に実施させたときは「検査を実施した者の氏名」が「検査業者の名称」に読み替わります(安衛則169条の2第7項、151条の24第4項ほか)。業者の記録表に検査した人の個人名が入っていなくても、記録として不足しているわけではありません。

記録事項と検査項目は別のもの

特定自主検査記録表には、この6事項のほかに検査項目がずらりと並びます。検査項目のほうは条文ではなく告示で決まっていて、機械の種類ごとに別表が用意されています。6事項は自社で確認できますが、検査項目は自社で組み立てるものではありません。この線引きが、様式を自作してよいかどうかの判断につながります。

特定自主検査記録表の様式は、2026年1月から告示が土台になった

特定自主検査記録表の様式まわりは、2026年(令和8年)1月1日から扱いが変わりました。それまで目安だった「指針」が廃止され、拘束力のある「基準」(告示)に移っています。

機械現行の出典適用日
車両系建設機械車両系建設機械特定自主検査基準(令和7年 厚生労働省告示第320号)別表1〜72026-01-01
フォークリフトフォークリフト特定自主検査基準2026-01-01
高所作業車高所作業車特定自主検査基準2026-01-01
不整地運搬車不整地運搬車特定自主検査基準2026-01-01
動力プレス動力プレス特定自主検査基準2026-01-01

指針は「適切かつ有効な実施を図るための目安」で、従う義務はありませんでした。基準は「判定基準に適合していることを確認することにより行わなければならない」と書かれています。つまり特定自主検査記録表の検査項目と判定基準は、いまは告示に沿っている必要があります。制度側の変更点は特定自主検査の新基準(2026年1月適用)にまとめてあります。

自社で作ってよい範囲と、作らないほうがよい範囲

自社で作ってよいか理由
作業開始前点検の表作ってよい条文の項目が少なく、記録の保存義務もない
定期自主検査(月例)の記録表作ってよい検査事項が条文に書かれていて、告示の別表に当たらない
特定自主検査記録表(年次)作らないほうがよい検査項目・判定基準が告示の別表で決まっている。自前で並べると基準から外れる

当サイトでも、この線引きに合わせています。年次の特定自主検査については「検査項目の表」ではなく「記録として残す事項の表」を配っています。検査は検査業者または有資格者が告示に沿って行い、その結果を事業者が管理する、という実際の流れに合わせた形です。

対象機械別|特定自主検査記録表の周期と根拠条文の早見表

特定自主検査記録表が必要になる機械は5種類です。周期の文言が機械ごとに違い、不整地運搬車だけ2年です。ここを1年で運用している事業場が少なくありません。

機械特定自主検査の周期月例の定期自主検査条文
車両系建設機械
油圧ショベル・ブルドーザ・ホイールローダー・ローラー・くい打機・解体用機械・コンクリートポンプ車
一年以内ごとに一回一月以内ごとに一回安衛則167条/168条
フォークリフト一年を超えない期間ごとに一回一月を超えない期間ごとに一回安衛則151条の21/151条の22
高所作業車(作業床の高さ2m以上)一年以内ごとに一回一月以内ごとに一回安衛則194条の23/194条の24
不整地運搬車二年を超えない期間ごとに一回一月を超えない期間ごとに一回安衛則151条の53/151条の54
動力プレス・シャー一年以内ごとに一回月ごとの条文が無い安衛則134条の3/135条

動力プレスは形が違います。月ごとの定期自主検査を定めた条文がなく、年次だけの2層構造です。詳しくは動力プレスの特定自主検査で扱っています。不整地運搬車の2年については不整地運搬車の定期自主検査で条文をたどっています。

特定自主検査記録表が出てくる位置
毎日作業開始前点検|運転者が実施。記録の保存義務なし
毎月定期自主検査(月例)|資格要件なし。記録は3年保存
年に1回特定自主検査|ここで特定自主検査記録表が出る。検査業者または有資格者。記録3年保存+検査標章
下の層ほど実施のハードルが上がり、求められる証拠も強くなる
特定自主検査 記録・検査標章 管理台帳(Excel・無料)フォークリフト・車両系建設機械・高所作業車・不整地運搬車・動力プレスの特定自主検査(年次)と定期自主検査(月例)の記録を、機械をまたいで1枚で管理する台帳。安衛則169条の記録6事項をそのまま列にし、次回期限日・検査標章の管理・記録の保存期限(3年)を自動計算します。検査そのものの様式ではなく、受け取った記録表を管理するための様式です。
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特定自主検査記録表を無料Excelでそろえる|機械別の様式一覧

特定自主検査記録表そのものは検査業者の様式で出てきますが、事業者側で用意しておくと運用が楽になる紙が2つあります。受け取った記録を機械横断で管理する台帳と、月例・作業開始前を含めた機種別の点検表です。当サイトではどちらも無料のExcelで配っています。

1. 受け取った記録を管理する台帳

特定自主検査記録表を綴じるだけでは、次の期限も、3年の保存期限も見えません。特定自主検査 記録・検査標章 管理台帳は、安衛則169条の6事項をそのまま列にして、検査年月日を入れると次回期限日・残日数・記録の保存期限(3年後)が自動で出る形にしてあります。残日数が30日を切ると赤くなります。

2. 機種別の点検表(作業開始前・月例・年次の記録欄つき)

機種別の様式には、作業開始前点検と月例の定期自主検査に加えて、年次の特定自主検査の実施日・検査者・検査標章の貼付日を残す欄を入れています。年次の検査項目そのものは、告示の別表に沿って検査業者が記入するため載せていません。

機械様式入っているもの
フォークリフトフォークリフト点検表作業開始前4項目/月例36項目/年次の記録欄
高所作業車高所作業車点検表作業開始前/月例34項目/年次の記録欄
油圧ショベル(ユンボ・バックホウ)油圧ショベル点検表作業開始前/月例39項目/年次の記録欄
車両系建設機械(機種を問わない台帳)車両系建設機械 定期自主検査記録表月例の台帳/月例検査シート37項目
不整地運搬車不整地運搬車 定期自主検査記録表作業開始前/月例30項目/2年ごとの記録欄
動力プレス・シャー動力プレス・シャー 定期自主検査記録表作業開始前6項目/年次9項目・シャー5項目

ブルドーザ・ホイールローダー・ローラー・解体用機械・基礎工事用機械などの機種別様式は、重機の点検表まとめから探せます。

特定自主検査記録表と検査標章はセットで管理する

特定自主検査を行うと、機械に検査標章(ステッカー)を貼ります。ここで間違いが起きやすいのは、貼る人です。検査標章を貼るのは検査業者ではなく事業者です(安衛則169条の2第8項、151条の24第5項、194条の26第5項、151条の56第5項)。

① 検査検査業者・有資格者が実施
② 受領特定自主検査記録表を受け取る
③ 貼付事業者が見やすい箇所に標章を貼る
④ 保存記録表を3年保存・次回期限を登録
③を業者任せにしていると、標章だけ貼られて記録表が手元に無い状態になりやすい

特定自主検査記録表と検査標章は、どちらか片方では足りません。標章は現場で「受けているかどうか」を見せるもので、記録表は「何をどう見たか」を残すものです。元請の受入れでは標章を見られ、監督署の調査では記録表を見られると考えると分かりやすくなります。標章の読み方は検査標章の見方と貼り方で扱っています。

特定自主検査記録表の保存|3年をどう数えて、どこに置くか

特定自主検査記録表の保存期間は3年です。起算は検査を行った日で、次の検査を受けても前の記録がすぐ捨てられるわけではありません。3年ぶんが常に手元にある状態になります。

記録保存期間根拠
特定自主検査(年次)の記録3年安衛則169条/151条の23/194条の25/151条の55/135条の2
定期自主検査(月例)の記録3年同上
作業開始前点検の記録定めなし条文に保存義務の規定がない(残すことは推奨)

置き場所は法令で決まっていません。実務では、機械ごとにまとめる年ごとにまとめるかで分かれます。台数が少なければ機械ごと、10台を超えたあたりからは年ごとのほうが探しやすくなります。どちらにしても、台帳側に「どこに置いたか」を書いておくと、引き継ぎのときに迷いません。

3年の数え方と、期限そのものの数え方は別の話です。「一年以内ごとに一回」の起算については特定自主検査の期限はいつまでか、建機の記録保存の実務は建設機械の記録を3年保存するで扱っています。

特定自主検査記録表が手元に無いときの進め方

「機械はあるが、特定自主検査記録表が見当たらない」という状態は珍しくありません。中古で買った機械、レンタルから買い取った機械、担当者が代わった機械で起きます。進め方は、機械の状態によって3つに分かれます。

状態やること
検査は受けているが記録表が見つからない検査業者に控えの再発行を依頼する。標章の年月から、いつ・どの業者かをたどれる
前回の検査から1年(不整地運搬車は2年)を超えている検査を受けるまで使用しない。検査業者に依頼し、受けた記録から管理を始める
そもそも受けていない機械がある台帳を作って対象機械を洗い出す。台数がまとまれば費用も下げやすい

依頼先は、登録検査業者に頼む方法と、自社で有資格者を育てる方法の2つがあります。台数が少ないうちは業者に依頼するほうが総額を抑えやすく、台数が増えると自社実施が効いてきます。判断の材料は建機の点検を外注するか自社でやるか特定自主検査の費用は何で決まるかに置いています。自社で行う場合の資格は事業内検査者になるにはを参照してください。

よくある質問

Q. 特定自主検査記録表は自社で作ってもよいですか
年次の特定自主検査については、検査項目と判定基準が告示(車両系建設機械特定自主検査基準ほか。2026年1月適用)で決まっているため、項目を自社で組み立てた様式は基準から外れます。検査は検査業者または有資格者が告示に沿って行い、その記録表を受け取る形になります。月例の定期自主検査と作業開始前点検は、条文の検査事項に沿っていれば自社の様式で構いません。
Q. 特定自主検査記録表に決まった様式(書式番号)はありますか
法令が様式番号を指定しているわけではありません。決まっているのは記録する6つの事項(検査年月日・検査方法・検査箇所・検査の結果・検査を実施した者の氏名・補修等の措置の内容)と、検査項目・判定基準を定めた告示です。実務では検査業者や業界団体の様式が使われています。
Q. 特定自主検査記録表は何年保存しますか
3年です(安衛則169条ほか)。月例の定期自主検査の記録も同じく3年です。作業開始前点検の記録には保存義務の規定がありません。
Q. 検査業者から記録表をもらっていません。どうすればよいですか
検査業者に控えの再発行を依頼してください。特定自主検査を行った事実は検査標章の年月からたどれます。記録の保存義務は事業者側にあるため、受け取っていない状態は放置しないほうがよいです。
Q. 特定自主検査記録表と定期自主検査記録表は何が違いますか
周期と、検査を実施できる人が違います。特定自主検査は年に1回(不整地運搬車は2年に1回)で、検査業者または有資格者しか実施できません。定期自主検査(月例)は月に1回で、資格の要件はありません。どちらも記録は3年保存です。
Q. 不整地運搬車の特定自主検査記録表も1年ごとですか
2年ごとです。安衛則151条の53が「二年を超えない期間ごとに一回」と定めています。他の機械と同じ1年で運用している事業場がありますが、条文が違います。
Q. 検査標章は検査業者が貼ってくれますか
貼るのは事業者です。条文は事業者が見やすい箇所に貼り付けることを定めています(安衛則169条の2第8項ほか)。業者が貼ってくれる場合もありますが、義務を負っているのは事業者側です。
Q. 特定自主検査記録表に検査者の個人名が入っていません
検査業者に実施させたのであれば不足ではありません。安衛則169条の2第7項ほかに読み替えの規定があり、「検査を実施した者の氏名」は「検査業者の名称」となります。自社の有資格者が実施した場合は、その人の氏名が要ります。
Q. 補修を後日行いました。記録表はどうしますか
補修等の措置を講じたときは、その内容を記録します(安衛則169条6号)。後日の補修は記録表に追記されないまま抜けやすいので、台帳側で補修年月日と内容を残しておくと確実です。
Q. 対象機械が何台あるか分からない状態です
まず台帳を作って洗い出すところから始めるのが早道です。当サイトの特定自主検査 記録・検査標章 管理台帳は、機械の種類と検査の区分を選ぶだけで次回期限と保存期限が出るので、現状把握にそのまま使えます。
特定自主検査 記録・検査標章 管理台帳(Excel・無料)フォークリフト・車両系建設機械・高所作業車・不整地運搬車・動力プレスの特定自主検査(年次)と定期自主検査(月例)の記録を、機械をまたいで1枚で管理する台帳。安衛則169条の記録6事項をそのまま列にし、次回期限日・検査標章の管理・記録の保存期限(3年)を自動計算します。検査そのものの様式ではなく、受け取った記録表を管理するための様式です。
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本記事は一般的な情報の整理であり、法令への適合を保証するものではありません。個別の義務内容は所管行政庁または専門家にご確認ください。記事の内容は2026-08-27時点の情報です。