建設機械・荷役車両

重機の点検表|機種ごとに違う周期と項目を1枚に整理する

公開 2026-09-24 執筆 点検板 編集部

重機の点検表を探すと、様式のファイルはいくらでも見つかります。ところが「自分の機械にどれが当てはまるのか」を判断できる資料がありません。周期も検査項目も、機種によって条文が別々に書かれているためです。

この記事は機種横断の早見表です。年次・月例・作業開始前の3層について、機種ごとの周期の文言と項目数を1枚に並べます。そこから自分の機種のページに進める形にしてあります。

重機点検表(作業開始前・1ヶ月1枚)(Excel・無料)機種をまたいで使える重機の作業開始前点検表。エンジン・油圧・走行装置・作業装置・安全装置を1ヶ月1枚で記録します。
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この記事の内容(6項目)

車両系建設機械の種類|令別表第七の6区分と、そこに入らない機械の一覧

いちばん大きな分かれ目はここです。現場で並んで使われていても、条文の系統が3つに分かれています。

系統含まれる機械条文
車両系建設機械ブルドーザ、ホイールローダー、油圧ショベル、ミニショベル、ローラー、コンクリートポンプ車、ブレーカ、くい打機安衛則167条以下
車両系荷役運搬機械等フォークリフト、ショベルローダー、不整地運搬車、構内運搬車、貨物自動車安衛則151条台
高所作業車高所作業車安衛則194条の23以下
クレーン移動式クレーン(ラフター等)、天井クレーンクレーン等安全規則
間違えやすい3つ
不整地運搬車建機に見えるが荷役運搬機械。年次は2年
ホイールローダートラクターショベルは建設機械。ショベルローダーは別系統
ラフター建機ではなく移動式クレーン。年次に荷重試験
系統を間違えると、条文にない項目を点検し、条文にある項目が抜ける

車両系建設機械の一覧|令別表第七の6区分

「車両系建設機械」という名前の機械があるわけではありません。労働安全衛生法施行令 別表第七に掲げられた機械のうち、動力を用い、かつ不特定の場所に自走できるものがそう呼ばれます(安衛則151条の175ほか)。掲げられているのは次の6区分です。

区分別表第七に掲げられている機械点検板の様式
一号
整地・運搬・積込み用
ブル・ドーザー/モーター・グレーダー/トラクター・シヨベル/ずり積機/スクレーパー/スクレープ・ドーザーブルドーザホイールローダーグレーダー・スクレーパー
二号
掘削用
パワー・シヨベル/ドラグ・シヨベル/ドラグライン/クラムシエル/バケツト掘削機/トレンチヤー油圧ショベル
三号
基礎工事用
くい打機/くい抜機/アース・ドリル/リバース・サーキユレーシヨン・ドリル/せん孔機/アース・オーガー/ペーパー・ドレーン・マシン基礎工事用機械
四号
締固め用
ローラーのみローラー
五号
コンクリート打設用
コンクリートポンプ車コンクリートポンプ車
六号
解体用
ブレーカ+省令で追加された3機種(鉄骨切断機/コンクリート圧砕機/解体用つかみ機。安衛則151条の175第2項)解体用機械

各区分の末尾には「これらに類するものとして厚生労働省令で定める機械」という受け皿の号が置かれています。ただし実際に省令で機械が指定されているのは六号だけで、鉄骨切断機・コンクリート圧砕機・解体用つかみ機の3機種です(安衛則151条の175第2項)。一号から五号の受け皿の号に、いまのところ指定はありません。

この一覧に入らない機械

現場で建機と一緒に使われていても、別表第七に無ければ車両系建設機械ではありません。運転の資格(技能講習・特別教育)も、167条以下の定期自主検査も、そのままでは適用されません。

機械別表第七での扱い点検はどうするか
ランマ・タンパー
プレートコンパクター
四号に掲げられているのは「ローラー」だけで、手押しの締固め機械は挙げられていない法定の定期自主検査の対象外。機械始業前点検表で社内基準として見る
アスファルトフィニッシャー別表第七のどの号にも掲げられていない同上
ハンドガイドローラー「ローラー」なので四号に当たる。手押し式でも締固め用機械ローラーの点検表。運転は特別教育(安衛則36条10号)
高所作業車別表第七ではなく令10条5号。車両系建設機械ではない高所作業車の点検表(安衛則194条の23以下)
フォークリフト
ショベルローダー
別表第七ではなく車両系荷役運搬機械等フォークリフトショベルローダー

機体の形ではなく、別表第七に名前があるかどうかで決まります。判断に迷うものは、メーカーの銘板と取扱説明書に記載された機械の種類を確認したうえで、所轄の労働基準監督署にご確認ください。

年次の早見表

年次は特定自主検査にあたるものが多く、検査業者または有資格者しか実施できません。周期の文言が機種ごとに書き分けられています。

機種周期(条文の文言)検査事項実施者条文
車両系建設機械一年以内ごとに一回9号検査業者/有資格者167条
高所作業車一年以内ごとに一回9号検査業者/有資格者
(作業床2m以上)
194条の23
フォークリフト一年を超えない期間ごとに一回9号検査業者/有資格者151条の21
不整地運搬車二年を超えない期間ごとに一回9号検査業者/有資格者151条の53
ショベルローダー等一年を超えない期間ごとに一回5号151条の31
移動式クレーン一年以内ごとに一回
荷重試験が必須
クレーン則76条
動力プレス一年以内ごとに一回9号検査業者/有資格者134条の3

「一年以内」と「一年を超えない期間」

実務上の運用は同じ年1回ですが、条文の言い方が違います。社内規程や記録に条文を引くときは、自社の機械の条文どおりに書いてください。フォークリフトの解説をそのまま建設機械に当てはめている資料が少なくありません。

不整地運搬車だけ2年です

クローラダンプなどの不整地運搬車は、年次が二年を超えない期間ごとに一回(151条の53)です。1年周期で検査業者に発注していると、不要な検査を毎年受けていることになります。詳しくは不整地運搬車の定期自主検査で扱っています。

月例と作業開始前の早見表

月例は資格要件がなく、事業者の責任で実施できます。項目数が機種ごとに違います。

機種月例の周期月例の項目作業開始前の項目
車両系建設機械一月以内ごと実質3(第四号は特定解体用機械のみ)2(ブレーキ及びクラッチの機能)
高所作業車一月以内ごと3制動装置・操作装置・作業装置の機能
フォークリフト一月を超えない期間ごと3(ヘッドガード・バックレストを含む)
不整地運搬車一月を超えない期間ごと24
ショベルローダー等一月を超えない期間ごと3(ヘッドガードを含む)
移動式クレーン一月以内ごと4巻過防止装置・警報装置・ブレーキ・クラッチ・コントローラーの機能

車両系建設機械

毎日は2項目だけ、毎月が3項目。
条文上、日常の要求は最も軽い

不整地運搬車

毎日が4項目、毎月は2項目。
配分が逆になっている

「月例点検」という語は法令にありません

条文にあるのは「一月以内ごとに一回」「一月を超えない期間ごとに一回」という言い回しです。社内文書で「月例点検」と書くのは構いませんが、条文を引くときは注意してください。

作業開始前点検に記録の保存義務はありません

記録を定めた条文は「前二条の自主検査を行つたときは」と書かれていて、年次と月例だけを指しています。作業開始前は「点検」であって「自主検査」ではないため、対象に入っていません。ただし実施の証跡が無いのは別のリスクなので、社内管理として残すかは事業者の判断です。

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記録は6項目・3年保存で共通

周期や項目数は機種ごとに違いますが、記録の要件は共通です。どの機種でも同じ6項目を3年間保存します。

記録事項書き方のポイント抜けやすさ
検査年月日次回期限の起算になる
検査方法目視/作動確認/測定
検査箇所条文の号立てをそのまま行にする
検査の結果良/否/対象外。空欄にしない
検査を実施した者の氏名検査業者に実施させた場合は「検査業者の名称」
補修等の措置を講じたときは、その内容結果が「否」なのに空欄が最多の不備最高
6項目記録事項(全機種共通)
3年保存期間
2年不整地運搬車の年次だけ
事業者検査標章を貼る人

検査標章は事業者が貼ります

特定自主検査を受けた機械には検査標章を貼りますが、貼付義務者は検査業者ではなく事業者です。移動式クレーンには標章の制度がなく、検査証で確認します。検査標章の見方と貼り方で扱っています。

機種別のページ

条文の号立てをそのまま検査事項にした様式を、機種ごとに用意しています。Excel(編集用)とPDF(印刷用)の両方があります。

系統機種記事
車両系建設機械油圧ショベル・バックホー油圧ショベル(ユンボ)点検表の作り方
ミニショベル(3t未満)ミニショベルの点検表
ブルドーザブルドーザの点検表
ホイールローダーホイールローダーの点検表
ローラー(締固め用)ローラーの点検表
解体用機械解体用機械の点検
基礎工事用機械くい打機・アースオーガーの点検
車両系荷役運搬機械等フォークリフトフォークリフト点検表の作り方
不整地運搬車不整地運搬車の定期自主検査
高所作業車高所作業車高所作業車点検表の作り方
クレーン移動式クレーン(ラフター)ラフテレーンクレーンの点検
クレーン全般クレーン点検表の作り方
コンクリート打設用コンクリートポンプ車コンクリートポンプ車の点検

複数の機種を持っているなら台帳を先に作る

機種が混在すると、周期がばらけて期限が見えなくなります。機種区分を選べば周期が決まる形の台帳にしておくと、不整地運搬車を1年で登録してしまうような事故が防げます。建機の点検期限を1枚で管理するで扱っています。

条文はe-Gov法令検索(労働安全衛生規則)、クレーンは同(クレーン等安全規則)で確認できます。

よくある質問

Q. 重機の点検表は機種ごとに違いますか
違います。周期の文言も検査事項の数も機種ごとに条文が別々に定められています。特に不整地運搬車は年次が2年で、月例は2項目、作業開始前は4項目と、車両系建設機械とは配分が逆になっています。
Q. どの機械がどの条文ですか
車両系建設機械は安衛則167条以下、フォークリフトや不整地運搬車などの車両系荷役運搬機械等は151条台、高所作業車は194条の23以下、移動式クレーンや天井クレーンはクレーン等安全規則です。
Q. 不整地運搬車は車両系建設機械ですか
違います。安衛則151条の2の車両系荷役運搬機械等の第五号で、フォークリフトと同じ系統です。建設現場で建機と並んで使われるため混同されやすい機械です。
Q. ホイールローダーはどの系統ですか
トラクターショベルとしての一般的なホイールローダーは車両系建設機械(別表第七第一号)です。名前の似たショベルローダーは車両系荷役運搬機械等の第二号で、適用条文も周期も資格も別になります。
Q. ラフテレーンクレーンは建機の点検表でよいですか
いけません。移動式クレーンとしてクレーン等安全規則が適用されます。年次の自主検査に荷重試験が必須という点が、車両系建設機械にはない大きな違いです。
Q. 作業開始前点検の項目数が機種で違うのはなぜですか
条文がそれぞれ別に定めているためです。車両系建設機械は170条でブレーキ及びクラッチの機能の2つ、不整地運搬車は151条の57で4つ、移動式クレーンはクレーン則78条で巻過防止装置などが挙げられています。
Q. 記録の要件も機種で違いますか
記録は共通です。どの機種でも検査年月日、検査方法、検査箇所、検査の結果、検査を実施した者の氏名、補修等の措置の内容の6項目を3年間保存します。
Q. 「月例点検」という言葉は法令にありますか
ありません。条文にあるのは「一月以内ごとに一回」(車両系建設機械・高所作業車)や「一月を超えない期間ごとに一回」(フォークリフト・不整地運搬車)という言い回しです。社内文書で使う分には構いませんが、条文を引くときは注意してください。
Q. 作業開始前点検の記録は残す必要がありますか
法令上の保存義務はありません。記録を定めた条文が「前二条の自主検査」=年次と月例だけを指しているためです。ただし実施の証跡が無いのは別のリスクなので、社内管理として残すかは事業者の判断です。
Q. 複数の機種を持っている場合、どう管理すればよいですか
機種区分を選べば周期が決まる台帳にしてください。機種ごとに周期の条文が違うため、一律の設定にすると期限がずれます。特に不整地運搬車を1年周期で登録してしまう誤りが起きやすい部分です。
重機点検表(作業開始前・1ヶ月1枚)(Excel・無料)機種をまたいで使える重機の作業開始前点検表。エンジン・油圧・走行装置・作業装置・安全装置を1ヶ月1枚で記録します。
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